みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
作業療法士は怪我や病気で困難になった生活に必要な動作や活動の再獲得を支援します。
怪我や病気といった人生における困難、逆境にある対象者を支援するにあたってはいかに対象者を勇気づけ、能動的な取り組みをしてもらうかが重要になります。
今回は対象者が能動的に困難や逆境を乗り越える力を支援するために重要な概念と考える健康生成論と首尾一貫感覚について簡単に解説、共有します。
健康生成論と首尾一貫感覚は医療社会学者アーロン・アントフスキーによって提唱された概念です。
アントノフスキーはナチスの強制収容所に入れられた体験をした更年期女性の健康状態を調査しました。
7割の女性が強制収容所での過酷な体験やトラウマによって健康状態が不良であったのに対して、3割の女性が更年期になっても健康状態が良好であるとの結果が得られました。
アントノフスキーは3割の人々に着目し、なぜ過酷な経験をしたにも関わらず健康状態が良好なのかを調査した結果として、健康生成論と首尾一貫感覚を提唱する至りました。
健康生成論は健康はいかにして、回復され、保持され、維持されるかという観点から「健康へと導くもの」のパワーが「健康破綻へ向かわせるもの」のパワーが強ければ健康でいられることを提唱しています。
そして健康への導くものの主要因として首尾一貫感覚が提唱されました。
首尾一貫感覚は
「その人に浸みわたった、ダイナミックではあるが持続する確信の感覚によって表現される世界規模の志向性のこと」
「それは①自分の内外で生じる環境刺激は、秩序づけられた予測と説明が可能であるという確信=把握可能感」
「②その刺激がもたらす要求に対応するための資源はいつでも得られるという確信=処理可能感」
「③そうした要求は挑戦であり、心身を投入し関わるに値する確信=有意味感」からなると定義されています。
作業療法士は首尾一貫感覚を構成する 3つの感覚、「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」を高める支援をすることで、対象者が怪我や病気による困難や逆境を乗り越える力を強化することができると考えます。
心身に感じる困難や苦痛の背景がわかり見通しがつくように専門職としてわかりやすく説明すること
困難や苦痛を軽減させるために対象者自身ができることを提案し習得することを支援すること
困難や苦痛の中に肯定的な意味を一緒に探していく経験、体験を提供すること
以上が対象者の首尾一貫感覚を高める支援、作業療法のあり方であると考えています。
健康生成論と首尾一貫感覚は対象者の健康を促進するためにポジティブな側面を活かす、強化する上で必須の知識と考えています^_^
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