みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
作業療法士のための健康行動理論入門⑦ではコントロールの所在(locus of control)について解説、共有します。
コントロールの所在とは、物事の結果を決める、コントロールする力がどこにあるかを考える個人の傾向を意味します。
健康に関するコントロールの所在では、健康状態が何によって決まるのかと考える傾向です。
個人の努力や行動によって健康状態が決まると考える傾向を内的コントロール所在といい、健康状態が運や他者の影響によって決まると考える傾向を外的コントロール所在と言います。
前者の傾向を持つ人は、積極的に予防や治療活動、健康行動をとるとされています。
そして内的コントロール所在の人には、積極的に治療や健康行動への関わりを促す自己決定を強調したアプローチが有効とされています。
外的コントロール所在にある人で、強力な他者(医師などの専門家)が健康状態を決めていると考えている人は、専門家が一定のイニシアチブをとって情報提供し、段階的に行動変容へのアプローチを促すことが有効とされています。
また外的コントロール所在のある人で、運に基づくと考えている人は健康行動への動機付けはより難しくなりますが、健康行動をとることが重要な価値の実現や重要な人への貢献になることを強調し結びつけるアプローチを丁寧に長期的な視点で関わることが必要とされています。
作業療法士は対象者との関わりの中で、対象者自身が抱えている健康問題についてどういうコントロール感を持っているのかを把握し、コントロールの所在が内的な方向へと向かうアプローチをする必要があります。
そのためには自己効力感の向上が欠かせません。
小さな成功体験を積み重ねることで、対象者自身が抱える健康問題に対してできることがあることを知ること、そして実践できること、さらにはそれが習慣化できることが自己効力感を高めることになり、健康と幸福を促進する支援の最終ゴール(自律)になると考えています^_^
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