blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

作業療法士は知っておきたいディスアビリティパラドックス

f:id:blueskycarp:20211105131753j:plain

みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^

 

作業療法士は人々の健康と幸福を促進するリハビリテーションの専門職です。

 

多くの対象者の方が心身機能が回復し、元の生活に戻る、社会復帰される一方で重大な事故や難治性の病気によって重篤な障害が残存し、元の心身の状態、生活に戻ることが難しい対象者も存在します。

 

重度の機能障害によって元の生活に戻ることが難しい方の支援には難しさや葛藤が伴います。

 

健康と幸福を促進するリハビリテーションの専門職として重度の障害を持つ方の幸福と何か?

 

幸福感を高めるにはどういう活動の再獲得や支援が適切なのか?

 

今提供している支援は幸福感を高めることにつながるのか?

 

今回はこの葛藤や疑問に答えてくれる現象としてディスアビリティパラドックスを解説、共有します。

 

 

ディスアビリティパラドックスはアルブレヒトらの調査研究で報告した現象で「重篤な障害を持つ人が、それにも関わらず生活の質を高く報告することができること」とされています。

 

客観的には重度の障害があるにも関わらず、主観的には健康状態や幸福感を高く報告することが欧米の研究で報告されています。

www.sciencedirect.com

bmcpublichealth.biomedcentral.com

 

ディスアビリティパラドックスは人間は重篤な機能障害により実際に何かを失う前の方が、失った後よりも喪失の影響を大きく見積もることに起因している現象とされています。

 

そして人には何かを失うまでは、「失ってしまったとしたら自分の人生の質はかなり低くなる」と見積もるが、実際には失ったこと以外に価値や楽しみ、幸福感を見出す能力があることをディスアビリティパラドックスは示しています。

 

重度の障害のある方は健康的な時には感じることのなかった「日常の小さなこと」に幸せを感じることができるようになることへと価値観の変容が生じると考えられます。

 

 

 

僕の経験でも重度の四肢麻痺を経験された方で「自力で寝返りがうてることが何と幸せなことか」と伝えてくださった方がおられます。

 

幸福というと何か大きなことを達成する、成功を手に入れることを考えてしまいがちですが日常の当たり前の中に幸福の種があるということをディスアビリティパラドックスは教えてくれると思います。

 

日常の中の当たり前を丁寧に経験し共有できるよう支援することが、重度の機能障害を有する対象者の幸福を促進することにつながると考えています。

 

参考図書