みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
人生100年時代、地域包括ケア時代に人々の健康と幸福を促進するためは、予防的な視点で健康行動を促進する知識と技術が必要です。
その為の知識として健康行動理論があります。
健康行動理論は、健康行動を促進するための行動変容と、その維持に関する複数の理論、考え方から成り立ちます。
作業療法士のための健康行動理論、3回目は自己効力感について解説、共有します。
自己効力感は社会的学習理論を提唱したアルバート・バンデューラが提唱した概念です。
社会的学習理論では、人はある行動が望ましい結果をもたらすと期待し、その行動をうまくできるという自信がある時、その行動をとる可能性が高くなると考えます。
ここでいう自信が、つまり自己効力感になります。
健康に良いと考えるある行動(禁煙、禁酒、運動など)をすることに、多大な苦痛や、難しさ、時間的、経済的コストを感じることなく、実行できる、継続できると感じる時、すなわち自己効力感がある時、人は行動変容を起こし、健康行動のための習慣化に舵を切ります。
そして自己効力感は4つの情報源によって高めることができるとされています。
①自己の成功体験
自己効力感を高める情報源として最も強力なもの。実際にうまくできた経験を小さく積み重ねることが重要。
②代理体験
自分と似たような状況にある人がうまくやっている様子を見聞きすることで、モデリングとも呼ばれている。
③言語的説得
信頼する他者からの説明や励まし
④生理的、感情的な変化
健康行動を実践する中での身体的、感情的な変化が起きること(最初は少し辛かったのが、辛さが減っていくことを感じる)
特に自己の成功体験につなげる為には、健康行動の段階づけ、難易度調整が重要となります。
作業療法士は自己効力感を持ってもらうために、対象者の心身状況、環境、価値観などに応じた段階づけ、難易度調整した健康行動を提案できること、そして支援が可能です。
健康行動の獲得のためには、一度に全てを変えようとせず、スモールステップでの行動の獲得(もしくは修正)が重要となります。
また言語的説得の為に、作業療法士として解剖学、運動学、生理学、神経学、心理学、エビデンス情報などに基づく知見を提供することが、説明の説得力を高め、自己効力感を高める支援につながると考えます。
対象者の自己効力感を高めることを支援することは、作業療法士にとっては必須の技術と考えています^_^
次回、作業療法士のための健康行動理論④では計画行動理論について解説、共有していきます^_^
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