blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

作業療法士は知っておきたい意欲を引き出す作業興奮

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^

 

作業療法士は心身機能が低下した対象者のやりたい活動、やる必要のある活動、やることを期待される活動の再獲得を支援します。

 

心身機能の低下には身体機能の低下だけでなく、やる気、意欲といった精神的な側面も含まれます。

 

作業療法士は活動の再獲得のために対象者の興味、関心、価値観を探り、共感を寄せながら活動への意欲が高まるよう支援していきます。

 

一方で対象者の思いを共感し言語的に働きかけても、同意が得られずベッドで臥床したまま、離床や活動に繋がらない場合もあります。

 

今回はそういった対象者に対応するために有用と考えている作業興奮という現象について共有します。

 

 

作業興奮は心理者クレペリンが報告した心理現象とされ、意欲、やる気がない状態でもとりあえずある活動、作業を始める、取り組むことで自然と意欲、やる気が高まり活動を続けれるという現象です。

 

一般に人が何かの活動をする際は、まずは前提にその活動に対する動機や欲求といった感情的な働きが先にあり、それに基づいて意欲が高まるとされています。

 

これは感情の中枢説(キャノン・バード説)と言われているものです。

 

一方で意欲は身体を動かすことで生じるものであり、感情よりも身体の動きが先行することで意欲が高まるという機序があります。

 

これを感情の抹消説(ジェームズ・ランゲ説)と言われるものです。

 

感情と身体の関係・言説について、最近の研究では後者のほうが本来的であるとされています。

 

つまり「楽しいから笑う」ではなく「笑うから楽しい」、感情は後付けであるというものです。

 

 

意欲といった活動に取り組む感情はまず身体を使う、やってみることで高まるという現象、つまり作業興奮を知っていることで意欲が乏しく、離床や活動に繋がらない対象者への関わりの可能性が広がります。

 

臨床では明確な拒否や抵抗がなく、身体的なリスク(血圧の急激な変化、痛みの誘発など)がないことを前提としますが、対象者の同意が得られなくても、まずは介助で離床のための動作や姿勢を誘導してみることで、覚醒が高まり、活動への意欲が高まってくることが期待できます。

 

そして「まずは1分、5分だけ取り組んでみましょう」と提案し、生活歴や病前の興味や関心に基づく活動を少し取り組む中で、作業興奮が作用し、持続して活動に取り組むことが期待できます。

 

 

活動への意欲は身体の働きが先行する、作業興奮を知っておくことで、意欲に乏しい対象者の心身機能の改善と活動の再獲得の支援をより効果的に提供できると考えています^_^

 

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