blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

作業療法士は知っておきたい運動学習を促進する注意の向け方

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。

 

作業療法士は怪我や病気で難しくなった生活動作の再獲得を支援します。

 

動作の再獲得においては、身体をどう動かすのか、使うのかを再学習する、つまり運動学習を支援する必要があります。

 

運動学習において対象者の注意をどこに向けてもらうべきかは、その成否に大きな影響を及ぼします。

 

今回は運動学習を促進する注意の向け方、教示の仕方について共有します。

 

 

運動学習においての注意の向け方、教示には2つあります。

 

1つめは動きの学習において、身体内部に注意を払ってもらうよう教示するInternal focus of attention(以下 IF)です。

 

つまり関節や筋肉からの情報、固有感覚に注意を向けてもらうものです。

 

運動、動作に必要な上肢または下肢のどこの関節が、どのように動いているのか、どこの筋肉を使っているのかについて注意を向けてもらいます。

 

 

2つ目は動きの学習において身体外部に注意を払ってもらうよう教示するExternal focus of attention(以下EF)です。

 

こちらは身体が動く先、作用する環境、目的とする方向や対象物、つまり外部環境に注意を向けてもらうものです。

 

上肢のリーチ動作であれば目的とする対象物に、座位や立位保持や制動であれば荷重している支持基底面に注意を向けてもらいます。

 

 

IFとEFのどちらが運動学習を促進させるのか?

 

従来、IFの方に注意を向けてもらうことが大事であるとされていましたが、近年はWulfらの健常人を中心とした研究によりEFの方が運動制御や自動的な運動学習と獲得には有効であることが報告されています。

 

そしてIFはむしろ動きの自動化の過程を制約、妨害するとも言われています。

 

一方でJohnsonらの研究では歩行の理学療法介入場面での療法士の教示やフィードバックの内容の7割はIFに基づく情報であったと報告しています。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

EF教示のリハビリテーション場面での有効性に関する研究はまだ十分でないようですが、臨床における言語教示やフィードバックにおける注意の向け方については作業療法士はどちらの教示が対象者にとって有効なのか、対象者の反応に応じて選択する必要があると考えています。

 

EFの有効性については健常人、つまり感覚機能や身体図式の障害のない人が対象です。

 

つまりIFの基盤となる心身機能がある程度正常に機能していることに裏付けられているものと考えられます。

 

一方で臨床においては感覚機能の低下や身体図式の紹介、空間認知の障害を呈している事例が存在します。

 

EFが有効に機能するための身体内部の情報処理にハンディが生じている場合は、事前にIFに基づく教示やその前の感覚入力が必要かもしれません。

 

上記を踏まえ僕の臨床では基本的に表在感覚や固有感覚をしっかり刺激する、IFに基づく要素的な動きの促通を図った後にEFに基づく運動学習になる場面を提供するようにしています。

 

作業療法士は運動学習における対象者の注意の向け方にも気を配りながら、IFとEFのメリット、デメリットを踏まての支援の提供が必要であると考えています。

 

参考文献