みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
作業療法士は病気や怪我で難しくなった生活動作、活動の再獲得を支援します。
再獲得の過程において次のような作業療法士の声かけ、表現を臨床で耳にします。
「自分で〜できますか?」「〜の動き、できますか?」
作業療法士としては運動機能や活動の評価、確認を意図した表現です。
動きや活動の可否や遂行状況を評価、確認しその後の治療、トレーニングにつなげていく意図をもっています。
一方対象者の視点から「〜できますか」はどのように感じられるでしょうか?
対象者によっては「試されている」と捉える、受け取るのではないかと考えます。
緊張しやすい対象者であればできるはずのことができなくなる、うまくできなくなる場合が考えられます。
自己肯定感、自己効力感が低い対象者であれば、「試されるような存在になってしまった」としてさらに自身のイメージを低下させ、活動の動機付けを弱めてしまうかもしれません。
自尊心の高い対象者であれば「心外だ」と感じ立腹され、ラポール形成に支障をきたす場合があるかもしれません。
人は他者から自身の能力を試されると心理的な抵抗を感じると考えています。
心理的な抵抗をうまく動機付けられる人は良いですが、そうでない人はかえってその人の持つ能力を引き出しにくくする可能性があると考えています。
僕は「〜できますか」という表現はなるべく使わず、「〜を一緒に確認してみましょう」と表現するようにしています。
対象者に「私は試されている」ことを感じさせない表現で、対象者の持つ機能と能力を最大化できる臨床を日々提供したいと考えています。