みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
作業療法士は対象者の健康と幸福を促進する主に医療、保健、福祉領域の専門職です。
対象者の健康と幸福を促進、支援するためには健康とは…、幸福とは…についての知識をアップデートしていく必要があります。
今回は精神科医で作家である樺沢紫苑先生が提唱している「Beの幸福」「Doの幸福」について共有し、幸福を促進する作業療法のあり方について提案します。
「Beの幸福」とは…
今ここにある幸福、そこにある幸福として心身の健康、安定した人との繋がり、安定した住環境などを意味します。
これらは普段は気付きにくい、または失って気づくことが多い幸福のあり方です。
病気や怪我で心身の健康を害した時、死別などによる親しい人との別れ、自然災害などに遭遇することで住み慣れた住まいを失い避難生活を余儀なくされることなどを経験することで、Beの幸福の存在に気づくことになります。
そしてBeの幸福はすでに手にしている幸福とも言えます。
Beの幸福の存在に気づき、それらを維持する行動を実践すること
つまり当たり前の日常に感謝する、心身の健康を保つための食事、運動、睡眠のバランスを整える生活の実践が幸福の基盤です。
「Doの幸福」とは…
こちらは自身の行動や努力の結果として得られる欲求が満たされる喜び、達成感、成功に基づく幸福です。
何かを「する」ことで得られる幸福
欲求を満たす行動、財産や富の形成、社会的地位や名誉の獲得、目標達成と自己成長、他者からの承認、学び、遊びや趣味を実践する結果として得られるポジティブな感情による幸福です。
人が生きていく、成長、進歩していく上で強力な動機付けになる幸福のあり方になります。
一方でBeの幸福よりも逓減しやすい幸福としての特徴があります。
逓減することで、もっともっとと求めてしまう、どこまで行っても満たされない幸福のあり方として注意が必要です。
特に様々な依存症はDoの幸福を求めすぎる、暴走した結果として心身の健康を害し、Beの幸福を破壊する結果となります。
したがってDoの幸福の追求は、それがBeの幸福をさらに強化するあり方、つまりより健康に、より他者とのつながりが強化される方向に向かうことが条件として必要です。
作業療法の対象者は突然の病気や怪我によってBeの幸福を失ってしまっている状態と考えることができます。
幸福を促進する作業療法はまずはBeの幸福、つまり当たり前の日常を取り戻す支援、近づける支援を提供することになります。
病気や怪我による心身の苦痛を軽減するための機能的なアプローチ
安全に、安心してできる生活動作の再獲得への活動へのアプローチ
慣れ親しんだ地域(住まい)と人との中での生活と役割を実現のための参加へのアプローチ
そしてこれらの取り組みの結果として得られ、感じることのできる喜びや達成感、つまりDoの幸福の享受
そんな作業療法が提供できることが幸福を促進することになるのではないでしょうか?
参考文献
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