みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
作業療法士は病気や怪我で困難になった生活動作の再獲得を支援します。
生活動作の再獲得のためには十分な可動域が必要になります。
しかし病気や怪我によって痛みがあり効果的に可動域を広げる支援が難しい対象者も存在します。
今回は痛みを伴う可動域制限のある対象者に対して可動域を改善させるPNFテクニックであるホールドアンドリラックスについてその技術と背景について共有します。
ホールドアンドリラックスは痛みを伴う可動域制限のある対象者に適応する筋肉のリラクゼーションテクニックです。
ホールドアンドリラックスでは、痛みを生じない最終可動域で、対象者に制限となっている筋の弱い等尺性収縮を10秒程度求めます。
等尺性収縮は作業療法士が目的とする筋を伸張する動き、抵抗に対して対象者に「動かないように止めてもらうこと」を求めることで引き出します。
等尺性収縮後、当該筋はIb抑制による収縮後弛緩が得られます。
収縮後弛緩が生じている時に、痛みが生じない範囲で、当該筋の持続伸張を図っていきます。
等尺性収縮と収縮後弛緩後の持続伸張を反復することで可動域の拡大を図っていきます。
最終的には拡大した可動域、新しく得られた可動域を保つために動筋の促通、強化を図ります。
ホールドアンドリラックスは痛みのある可動域制限をもつ対象者に、より積極的に治療に参加してもらうことができます。
痛みによって破滅的思考になり、下降性疼痛抑制のメカニズムが低下している対象者にとっては、ホールドアンドリラックスを提供することで、痛みに対して自分でできることを実感してもらうことができます。
そして痛みに対する自己統制感、自己効力感を支援することで痛みの慢性化から脱却できるテクニックがホールドアンドリラックスであると考えています。
ホールドアンドリラックスはROM exや痛みに対する治療が受動的、依存的にならないようにするためにも、ぜひ実践したいテクニックです。
参考文献