みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
2021年4月、新しい年度になりました。
職場では新入職員の教育が始まります。
さらに学生さん、実習生の指導、教育も始まっていきます。
作業療法士として臨床の場で貢献してもらうために臨床技能や臨床思考過程の教育を提供していきますが、まずは信頼してもらう存在として必要な基本的態度の指導、形成が重要となります。
基本的態度には清潔な服装・身だしなみ、挨拶、礼節のある話し方、規則や時間の厳守、連絡・報告・相談、守秘義務の遵守、学ぶ意欲・探究心・向上心の表出などがあります。
これらの態度を教育するにあたっては、態度がどう学習され形成されるのか?を知っておくことが必要、コツになります。
今回は態度の定義と態度が学習される、形成される学問的背景を共有し、教育のコツについてまとめていきます。
参考文献
<態度の定義>
学習心理学者のガニエによる定義では「ある物事や状況を選ぼう/避けようとする気持ち」とされています。
ある行動の選択頻度が高い、低いといった行動の傾向性を示し、ただそう思っているだけでは態度とは言えません。
高頻度で行動化されて初めて態度と言えます。
ある事象に対する知識やスキルが備わっていて、尚且つその行動を選択して実行できることが態度が示されたということになります。
<態度が学習される基盤〜状況的学習理論による〜>
状況的学習理論では態度は命令では指導できない、変えられないとされています。
態度は文脈のない状態(具体的な状況)では教えることはできない、学習できないとされています。
態度は、参加するコミュニティ(職場、組織)という文脈のなかで、そこでの価値体系を通じて学習されます。
参加するコミュニティにおいて期待される行動規範(価値体系)を伝え、正のフィードバックを通じて学習されます。
そしてコミュニティでの自分の居場所とアイディンティティの認識と確立を意図して、役割を果たすことで形成されます。
つまり所属するコミュニティに所属したい、認められる、信頼される存在になるために態度の学習と形成が必要になるわけです。
したがって態度の学習と形成を支援するにあたっては、所属するコミュニティにおいて何が期待されているか?を伝える、所属欲求に働きかける指導方法が有用と考えられます。
具体的にはyouメッセージ「〜しなさい」「〜しましょう」といった指示・命令よりも、Iメッセージ、weメッセージの形「〜してほしい」という表現での指導が、貢献感や共同体感覚を刺激し、所属欲求に働きかける伝え方になると考えています。
そして基本的態度を丁寧に実践することがあなたの信頼を高め、コミュニティの一員として認められ、役割を果たすことに貢献できる存在になる出発点になることを伝えることが重要であると考えています。
新入職員、学生さんの教育、指導において基本的態度ができることは当たり前のことですが、その当たり前ができない人材に出会った時には、今回のコツを参照していただけると幸いです。