みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。
作業療法士は対象者からの信頼を得ることで、治療効果を最大化し、健康と幸福を促進できます。
ラポール形成、信頼関係の構築に関してはこのブログでも何度か記事にしてきました。
今回は信頼を得るための 3つの戦略を共有します。
今回の参考文献はこちらです。
ラポール形成、信頼関係を構築するし、対象者に良い影響力を行使するのにこの本は超おすすめです。
戦略①自己開示
臨床では対象者の興味や関心を引き出し活動に繋げるために、適度に雑談を活用する場合もあります。
しかし信頼関係がまだ十分に構築されていない段階で、対象者が興味や関心といった個人的な内容を開示することには抵抗があることを想定する必要があります。
対象者からそういった情報を引き出すためには、まずは作業療法士自身の興味や関心、趣味嗜好を自己開示することから始めることで、対象者も開示しやすくなります。
これは作業療法士自身の自己開示 → 返報性の原理 → 相手も打ち解けてもらえるという構図が働くからです。
また自身の弱みを自己開示することで対象者が親近感、共通点を感じることで心理的距離を縮めることができる作用も働きます。
ラポール形成の初期の段階においては、まずは作業療法士自身の自己開示を進めながら、対象者からの自己開示を引き出すことが重要となります。
戦略②ストレングスを伝える
これは対象者の現時点での強み、ポジティブなあり様を伝えていくものです。
最初は外見的なところ、例えば身なり、服装、姿勢や動きの良いところをポジティブフィードバックします。
人は自分自身のありよう、行動を認めて後押ししてくれる人を信頼する性質があります。
そして人は誰かに認められた、求められていると感じた時に行動を起こすものです。
対象者に自分には力があり、能力、チャンスがあるという感覚をもたせ、行動を後押しすることで動機付けを強めます。
さらに経過の中では対象者の過去(1週間前、1ヶ月前、…入院時)と現在の能力の比較から自身の変化や成長を伝え、気づいてもらうようフィードバックすることでさらなるモチベーションアップ 信頼度アップに繋げることが可能になります。
一般に他者に良い影響力を発揮する人は、他者に対して過去と現在を比較しながら「あなたならできる」「あなたには力がある」というメッセージを発し続けるとされています。
作業療法士は対象者のネガティブな点を捉えるトレーニング、教育を受ける比重が大きいかもしれませんが、現状で対象者のポジティブな視点を捉えて伝えることが 対象者の自己効力感の回復を促し、行動変容へと繋げることが期待できます。
戦略③対象者との類似点と共通点を強調する
これは類似点、共通点によって他者に対する好意が生じるという原理に基づいています。
人は自分と似た部分のある人には好意的になり、影響力を受けやすく、助けたいと思ったリ、承諾しやすくなるとされています。
できるだけ早い段階で対象者との類似点と共通点を確認しあう会話をすることで、対象者の信頼形成と、信頼に基づく回復への影響力を行使することが期待できます。
まとめ
自己開示を含む会話で対象者の興味関心を引き出し、対象者の現時点での良い点を伝え、互いの類似点を共有すると信頼が築かれる
3つの戦略を目的や状況に応じて活用することで対象者の信頼を獲得し、健康と幸福を促進するためのトレーニングや活動へと対象者を動機付けることが期待できます。