みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
作業療法士は対象者との信頼関係に基づいて健康のための行動への行動変容と習慣化を支援します。
信頼関係の構築においては対象者とのコミュニケーションが重要となります。
対象者の思いや行動変容に対する葛藤に寄り添って、対象者を応援するコミュニケーション技術が有効とされています。
今回紹介する勇気づけのコミュニケーションは、対象者が課題(行動変容)を乗り越えるためのエネルギーが出るよう応援するものとされています。
勇気づけのコミュニケーションはアドラー心理学に基づいています。
アドラー心理学では、対象者とヨコの関係性(相互尊重、相互信頼)に基づき、共同体感覚(他者、仲間とのつながり)と貢献感を刺激する関わり・表現でコミュニケーションを図っていきます。
健康行動を対象者に動機付ける際に、我々医療者は専門家としてついタテの関係、つまり指示的な表現でこちらの価値観、世界観で対象者に助言してしまいがちです。
指示的な表現は論理と倫理、正しさ(正論)に基づく動機付けですが、多くの対象者は正しいことは理解してる、それができないことに葛藤しているから行動変容が難しくなっています。
この葛藤に寄り添うためには、対象者の葛藤に共感し、できていることに着目し、それを強化していく方向で助言、支援していきます。
そして対象者の行動変容への取り組みが、自分自身の健康や幸せだけでなく、大事な他者の健康や幸福にも作用するものであることを認識してもらう助言、表現をしていくことでさらに動機付けを強化していきます。
これが共同体感覚刺激することになります。
アドラーは人が幸福感を持って生きるための不可欠な要素として共同体感覚を提案しています。
共同体感覚は①他者信頼 ②自己信頼と貢献感に基づく自己肯定感 ③ ①と②に基づく所属感という要素からなり、ありのままの自分を受け入れながら、信頼、安心できる他者とつながり結びついてコミュニティに所属している感覚を意味します。
共同体感覚を刺激するにはまずは対象者に感謝を表すこととから始めることができます。
そしてアイメッセージを効果的に活用することで、対象者自身の存在と様々な取り組みが支援者そして大事な他者(家族)やコミュニティへの貢献につながっていることを強化していきます。
共同体感覚、貢献感を強化、感じてもらうことが信頼関係の構築につながります。
そして対象者は支援者を行動変容への取り組みを応援する、勇気づける存在として認識してもらえることで、さらに専門家としての提案も受け入れてもらいやすい関係性を築くことが可能になります。
勇気づけのコミュニケーションは、作業療法士にとって対象者の健康と幸福を促進するコミュニケーション技能としてぜひ実践したい技法ではないでしょうか?
さらに理解を深めたい方は以下の参考文献を参照してくださいませ^_^

ナースのためのアドラー流勇気づけ医療コミュニケーション: メンタルヘルスの専門家・ミレイ先生が人間関係の悩みを解決!
- 作者:上谷 実礼
- 発売日: 2019/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)