みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
作業療法士は対象者のネガティブな側面を軽減する支援(治療)を提供するとともに、対象者に健康と幸福につながるよりよい行動や習慣を教える支援も提供します。
その為作業療法士は教える技術も高めていく必要があります。
しかし作業療法士はわかりやすく教える知識や技術についての教育を受けていません。
作業療法士の教育は主に医学教育であり心身の機能や構造、病気や障害に関する知識とそのマネジメントには精通しています。
一方でその知識やスキルを対象者にわかりやすく教え、対象者の行動変容を支援する技術は十分ではありません。
今回は教える技術を高めるための知識を共有していきます。
教える技術を高めるためにはまずは教える内容を明確にして、それらに対応した教え方を知る必要があります。
一つ目の教える内容は「運動スキル」と呼ばれるものです。これはどう身体を使うのか、どう行動するのかを覚えることです。
運動スキルは作業療法士の臨床において馴染みのものです。不自由な体でどう動作を獲得していくのかといった場面で代表的な教える技術となります。
運動スキルをわかりやすく効率的、効果的に教えるためにはスモールステップの原理、即時フィードバックといった2つの技術が重要となります。
特に即時フィードバックは、情報フィードバック(「できてますよ」)と評価フィードバック(「すごい」)があり、評価フィードバックは固定強化(毎回褒める)よりも変動強化(たまに褒める)が効果的であることを知っておくことが重要です。
2つ目の教える内容は認知スキルと呼ばれるものです。これはどのように思考するのかを覚えることです。
思考とは「記憶すること」「問題解決」「記述すること」です。
特に記憶することを教える技術としては関連付けて覚える戦略である「精緻化」という技術を知っておくことが重要です。
「精緻化」は対象者が持っている既存の知識、ポジティブな記憶情報と新規の知識、記憶すべき情報を結びつけて伝える、教えることで記憶に定着しやすくなる技術です。
3つ目の教える内容は態度スキルと呼ばれるものです。これは自分の気持ちや行動を適切にコントロールする仕方を覚えることです。
「態度」とはある行動の選択頻度が高い、もしくは低いといった傾向性を示すものとされています。
「態度」とはただそう思っているではなく高頻度で行動化されているものをさします。
このスキルは行動変容において重要な要素となります。運動スキル、認知スキルを持っていても適切な行動を選択するとは限りません。
逆に態度の形成のためにはそれを実行できる運動スキルと認知スキルも十分に持ち合わせている必要があります。
そして態度は対象者のコミュニティの価値体系(大事なこと、行動規範)を通じて学習されるとされています。
つまり対象者を取り巻く人的環境における期待(「こうあって欲しい」)を信頼関係に基づいて伝える中で獲得されるとされています。
以上教える技術を高めるために必要な知識として3つの教える内容と技術を簡単に提示しました。
これらの知識や技術は臨床に限らず、学生指導、職場における人材育成においても身につけておきたいものであると考えています。
より詳細を知りたい方はぜひ以下の参考文献で勉強してくださいませ^_^
参考文献