みなさん こんにちは 幸福と健康を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
作業療法士は対象者の身体に触れます。
作業療法の分野、活躍する領域に関わらず、対象者との挨拶の中で握手をしたり、診療の中で姿勢を支えたり、動きの方向を伝えたり、また励ます、勇気づける行為の一環として身体に接触します。
そういった身体に触れる関わりの中で信頼関係の醸成と活動促進のためのよりよい心身の状況作りの支援が可能になります。
ではその時どのような触れ方がより望ましいのでしょうか?
科学的に実証された根拠のある効果的な触れ方はあるのでしょうか?
そしてよりポジティブな感情を促進し、対象者の健康と幸福を促進する触れ方はあるのでしょうか?
皮膚感覚の研究では秒速3〜10cm程度の速さで触れることで、その刺激が大脳の島皮質に伝わり快を感じることが報告されています。
この刺激は体性感覚神経であるC触覚繊維で受容され、大脳の前帯皮質や辺縁系に伝達されるとされています。
C触覚繊維は末端は自由神経終末となり、痛み(二次痛)を感知する繊維でもありますが、身体に侵襲性のない圧と面と速度での刺激には快刺激として伝達されます。
とくにC触覚繊維は毎秒5cmの速さで触れるときに最も反応、興奮するとされています。そして一方で速すぎても遅くすぎても反応しないことがわかっています。
またC触覚繊維は有毛部に多く分布し、とくに顔、腕の多いともされています。
我々が不安を感じた時無意識に顔を触る、腕を触る、さするといった行為はC触覚繊維を適度に刺激興奮させること快刺激を誘発しストレスホルモン(コルチゾール)の軽減を促しているともされています。
さらにC触覚繊維の興奮による快刺激をもたらす触れ方は、脳内ではオキシトシンの分泌も促すとされています。
オキシトシンは他者との絆や信頼感を醸成し安心感をもたらす神経伝達物質です。
最後に毎秒5cm程度の速さによるC触覚繊維の興奮による触れ方は身体所有感の向上にも寄与することがラバーハンド錯覚に基づく研究でも報告されています。
以上対象者のポジティブ感情(快い、信頼、安心、自分の体である)を引き出す触れ方として、毎秒3〜10cm程度の速さで丁寧に触れることがより望ましい、科学的根拠のある触れ方と考え実践しています^_^
参考文献