みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです^_^
臨床では脳血管障害や加齢によって認知機能が低下している対象者の支援にあたります。
対象者は認知機能つまり見当識、記憶、注意・集中、理解、判断、意欲・発動性、抑制、遂行などのはたらきが低下し、日常生活が円滑に行えなくなります。
日常生活が円滑に行えなくなることでさらなる健康状態の悪化や幸福感の低下を招きます。
作業療法士は対象者のリハビリテーションにおいて、運動機能だけでなく、認知機能にもアプローチします。
認知機能のアプローチの第一選択はなんでしょうか?
ずばり第一選択は運動です^_^
ここでいう運動は主には有酸素運動をさします。
有酸素運動をすることでBDNF(脳由来神経栄養因子 brain-derived neurotrophic factor)が分泌されるとされています。
BDNFは神経細胞の分化の引き金となり、成熟を促進、シナプスの伝達効率を上げる物質です。
BDNFは海馬や大脳における神経伝達の長期増強の成立や維持に関わっており、記憶や学習形成、維持において重要な機能をもつことが明らかにになっている物質です。
一方で脳内でのBDNF発現量の低下と認知症の間には相関があることも研究で明らかになっています。
つまり記憶や学習といった認知機能に関わるBDNFの分泌の促進を図ること、すなわち運動することが認知機能を向上させるアプローチの第一選択となります。
作業療法の認知機能アプローチとしては、見当識の確認やパズルや計算、塗り絵といった机上での課題や活動を選択し、導入することが多いかと思いますが、まずはBDNFの分泌を促進するため対象者の耐久能に応じた運動を一定時間行ったあとに、机上での課題を行うことがより効果的であると考えています。
僕は対象者の運動耐久能に応じて車椅子を足で前後させる運動やラジオ体操、院内外のウォーキング、上肢エルゴ運動などを体が温まることを対象者が実感できる程度、まずは実践するようにしています。
そうすることで全身(脳も含めて)の血流も向上改善し、心身の機能改善にも寄与でいると考えています。
認知機能の向上・改善にもまずは身体・生理学ベースで活動を選択することが重要であると考えています^_^
参考文献