blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

作業療法士は知っておきたい下降性疼痛抑制

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みなさん こんにちは 健康と幸福を促進する作業療法士blueskycarpです。

 

作業療法士が活躍する現場、医療福祉保健領域では心身の痛みを伴う対象者への対応が必須となります。

 

心身の痛みは対象者の健康と幸福を阻害する大きな要因になります。

 

痛みに対して効果的に対応できることは、対象者の信頼を醸成し、よりこちらからの健康と幸福を促進する提案を受け入れてもらいやすくなります。

 

一方で作業療法士は痛みに対応するための知識や技術は卒後教育や自己研鑽に依存している現状があります。

 

今回は作業療法士が作業を活かす形で対応するために有用な痛みの知識である下降性疼痛抑制について解説していきます。

 

 

ひとの身体には痛みを抑制させる仕組みが備わっています。

 

中枢(大脳、脳幹)の活性化によって、脊髄後角での痛みのシナプス伝達を抑える仕組みです。

 

これを下降性疼痛抑制といいます。

 

中枢の活性化は、考える、見る、聞く、話す、読む、触れる、身体を動かすことなどで生じ、よりそれらに意識的になること、丁寧な遂行で機能します。

 

実験的に中脳中心灰白質、体性感覚野を電気刺激すると、脊髄後角で痛みを伝えるシナプス伝達が抑制されることが報告されています。

 

臨床的には(痛みが生じない身体部位への)触れること、動かすことによる刺激が感覚繊維であるAβ繊維で脊髄から体性感覚野に伝達されます(後索-内側毛帯路)。

 

すると大脳および脳幹を下降する経路からノルアドレナリン、セロトニン、GABAといった内因性鎮痛物質が放出され、脊髄後角に作用することで痛みの伝達を抑制することになります。

 

作業療法は身体運動はさることながら、課題志向的に目標に向かう活動、意味のある作業に意識的に取り組みます。

 

これはまさに中枢の活性化を図ることになり下降性疼痛抑制をいう仕組みが刺激されることになります。

 

生理学的に考えると作業療法は下降性疼痛抑制を効果的に駆動できる介入であると考えています。

 

僕は臨床においてこの下降性疼痛抑制の存在と作用について、痛みのある対象者に説明します。

 

「意識して丁寧に体を動かす、使う、そして作業に取り組むことで脳から痛みを緩和するホルモンができます」

 

「痛みという感覚だけに気持ちを向けることなく、目の前の作業に没頭するで痛みが緩和しやすくなりますよ」

 

という具合です。

 

即時効果は乏しいですが、対象者自身が痛みに対してできることを認識し、自己効力感をもって痛みを管理できる方向にサポートできるという意味で下降性疼痛抑制の知識を共有することは大事であると考えています。

 

ぜひみなさんも下降性疼痛抑制の知識に基づいた作業療法を実践し、痛みを有する対象者の健康と幸福の支援に貢献してください。

 

対象者の痛みの軽減に、作業療法を通じた下降性疼痛抑制をしっかり促通しましょう^_^

 

参考文献

痛みの考えかた   しくみ・何を・どう効かす

痛みの考えかた しくみ・何を・どう効かす