作業療法士は健康と幸福を促進する医療保健福祉領域の専門職です。
健康はウェルビーイングのための重要な資源となりますが、健康を促進するための必要条件は何かを知っておくことで効果的な支援に寄与できます。
よく言われる健康のための3条件は「バランスのよい食事」 「 適度な運動」「適度な睡眠」とされています。
特に食事と運動は一朝一夕にはいかない行動変容と習慣化を要する条件です。
頭では大事であるとわかっていてもなかなか変えれない、習慣化できないからこそ作業療法士による支援が必要な領域であると考えています。
健康を促進する作業療法を提供するためには健康に寄与する食事、運動、睡眠に関する情報を提供し、それに基づく行動変容と習慣化を支援する知識と技術が必要です。
さらに現代は上記の3つの条件に加えて「社会的つながり」「ストレスマネジメント」「自己理解」が重要であると考えています。
特に「自己理解」が順序的に一番大事であると考えています。
自己理解とは「自分が本当にやりたいことは何かを知っていること」を意味します。
健康は幸福に生きるための手段、資源です。
「やりたいことができている」ことは幸福を促進する要件の一つです。
幸福に生きるための、やりたいことを実現するための要件、手段、資源として健康があります。
したがって健康のための行動変容と習慣化を動機付けるためには、「自分が本当にやりたいこと」を知っておく、知ってもらう必要があります。
作業療法士は対象者の「やりたい作業」、「する必要のある作業」、「することを期待される作業」の実現を支援することで、健康と幸福を促進します。
特に「やりたい作業」を対象者と一緒に探索し、その実現をサポートすることが健康づくりの支援には欠かせない必要条件となります。
健康づくりのための必要条件は「自己理解」=「やりたいことを知っている」を土台として、「食事」「運動」「睡眠」「社会的つながり」「ストレスマネジメント」の6つの要素です。
作業療法士は健康づくりのための6つの要素を支援するための知識と技術を研鑽していきましょう。