作業療法士は健康と幸福を促進するために応用的動作の再獲得を支援します。
応用的動作の再獲得のためには、その背景となる運動制御と運動学習の理解が必要です。
ヒトの運動制御と運動学習の仕組みや原理を知り、より効率的に応用動作の獲得を支援する必要があります。
しかし作業療法士の教育課程において、運動制御、運動学習に関する教育は不十分です。
卒後に自己研鑽として理解を深めていく必要がありますが、運動制御と運動学習の知見はその学問的背景が幅広く、自己学習は大変です。
したがって作業療法士自身の学習も難易度調整をしながら、継続した取り組みが必要となります。
今回のオススメ書籍3選は難易度調整をした形で、段階的に運動制御と運動学習の知見を学べるよう提案させていただいています^_^
作業療法士が運動制御とと運動学習を科学的に理解するためのオススメの書籍①
「ヒトの動き百話 〜スポーツの視点からリハビリテーションの視点まで〜」 市村出版 2011
まずはヒトの動きの科学的背景について興味を高めるためにオススメの書籍です。
スポーツ領域、そしてリハビリテーション領域における身体運動と運動・姿勢制御、学習に関する素朴な疑問やその仕組みを科学ベース(論文に基づいて)で学ぶことのできる書籍です。
運動制御や姿勢制御について100のトピックスを見開き2ページで理解でき、好きなところから読めるところが、継続的に学ぶための仕掛けとしてオススメできるポイントです。
作業療法士が運動制御とと運動学習を科学的に理解するためのオススメの書籍②
「脳百話 ー動きの仕組みを解き明かすー」 市村出版 2003
ヒトの動きの科学的背景に興味を持つことができたら、次は運動を制御する神経系の働きを学ぶ必要があります。
しかし神経系の働きを学ぶのは苦手という方も多いのではないでしょうか?
この書籍も見開き2ページで神経系の構造から機能、そしてリハビリテーションへの応用的な知見までを段階的に学ぶことができます。
リハビリテーションと神経系に関連した書籍が昨今はたくさん出版されていますが、学習者の興味、関心を持続させ、理解の難易度設定的にもオススメの書籍になります。
作業療法士が運動制御とと運動学習を科学的に理解するためのオススメの書籍③
「ヒトの動きの神経科学」市村出版 2002
最後は上記オススメした書籍の総まとめとしてのものです。上記2つの書籍を通じた学習をベースとして体系的にまとめられた書籍を読むと、理解が一層深まります。
この書籍は神経系の構造と機能を単純なものから複雑なものへ、そして歩行と上肢の運動制御、最後に運動学習の知見の理解というふうに、段階的に学べる構造の書籍となっています。
歩行や上肢の運動制御、運動学習についてはさまざまな書籍がありますが、その神経学的な理解の導入、入門としてオススメです。
以上オススメの書籍を提案させていただきました。
運動制御、運動学習に関する知見は日進月歩で新しい知見が次々論文化されています。
それらを理解するためにも、まずは基礎的なところから、改めて興味、関心を持って作業療法士として学習を継続していきましょう^_^