作業療法士は対象者にとって健康と幸福を促進するよい行動、作業を動機付け、習慣化を支援する役割を担っています。
しかし対象者の行動変容と習慣化を支援することは簡単ではありません。
うまくいかない原因を対象者の意欲や性格、生活習慣に還元し、習慣化の支援をあきらめてしまうこともあるのではないでしょうか。
なぜ簡単ではないのか?、うまくいかないのか?
その理由は作業療法士の教育過程において行動変容と習慣化に関する教育の不十分さ、知識不足によるものが一因であると個人的には考えています。
またリハビリテーション関連書籍に行動変容や習慣化の支援について体系的、学術的にその知識や技術をまとめた書籍、もしくは触れた書籍が少ないのも、理由であると考えています。
今回は対象者の行動変容と習慣化支援を促進するために有用と考える書籍3冊を紹介させていただきます。
作業療法士が対象者の行動変容と習慣化支援に困った時に読むべき書籍その①
「保健指導・行動変容支援ガイド」 医歯薬出版 2019
保健領域の書籍です。
保健領域では禁煙や食事指導、メタボ対策のための減量や運動習慣を支援する必要があり、動機付けや行動変容と習慣化を支援する面談技術や支援技術が体系的に蓄積され、まとめられているようです。
この書籍は平易な表現で見開き2ページごとによい行動を支援するための視点と技術が説明してあり入門書としてオススメです。
作業療法士が対象者の行動変容と習慣化支援に困った時に読むべき書籍その②
「行動変容をうながす看護」 医学書院 2018
看護領域の書籍です。
健康行動を支援するための知見が学術的にまとめられています。
作業療法士にとって重要なバンデューラが提唱した自己効力感についてもまとめられています。
そして行動変容を体系的に支援するため10の技法が具体的に提示されています。
特に行動変容を支援するプログラムとしてパッケージ化されたEASE(イーズ)プログラムはその考え方や手続きについて知っておくと、作業療法における面接や活動獲得の段階づけを実践する際にも有用であると考えています。
作業療法士が対象者の行動変容と習慣化支援に困った時に読むべき書籍その③
「超習慣術」 ゴマブックス 2019
最後はメンタリストDaiGo氏の書籍です。
習慣化に必要なのは強い意志ではなく、習慣化のテクニックを知り実践することであると説いています。
「20秒ルール」「if then planning」「コミットメント」「スモールステップ」など学術研究に基づいた習慣化のテクニックをわかりやすく紹介してくれています。
一般書ですが、参考文献も提示されており習慣化に関する書籍としてはイチオシのものです。^_^
以上3つの書籍を紹介、提案しました。いずれもリハ関連以外の領域の書籍ですが、行動変容と習慣化を支援するためには価値の高いものであると考えています。
ぜひ手に取り皆さんの成長と対象者の健康と幸福支援に活用ください^_^