「起居や移乗動作の支援がうまくできない」
「ADL訓練はただひたすら動作の反復練習でいいのか?」
「作業療法士が基本的動作を学ぶために有用な書籍を知りたい」
作業療法士の守備範囲は応用的動作です。
一方で基本的動作は理学療法士の守備範囲ですが、応用的動作の背景、構成要素を理解し、効果的な支援を提供するためには作業療法士も基本的動作の理解と分析能力が欠かせないと考えます。
ただ作業療法士の教育課程において、基本的動作の理解と分析に関する教育は十分でないと考えています。
今回は作業療法士が基本的動作について理解を深め、その知識を臨床に活かすことに有用であると考える書籍を紹介します。
作業療法士が基本的動作の理解に困った時に読むべき書籍その①
「動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践」 メジカルビュー 2013
基本的動作の分析に定評のある理学療法士 石井慎一郎先生による書籍です。
寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行についてバイオメカニクスの視点から、動作の概要、動作を可能にするメカニズム、評価分析の視点、臨床推論のポイントを豊富な写真と論理的な記述で理解できます。
基本的動作の理解と分析の入門書としてオススメします^_^
作業療法士が基本的動作の理解に困った時に読むべき書籍その②
「脳卒中の動作分析 臨床推論から治療アプローチまで」 医学書院 2018
自費分野で活躍されている作業療法士 金子唯史先生による書籍です。
寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行だけでなく、作業療法士には欠かせない上肢のリーチ、手の機能についてもその動きの構成要素についての理解が深まります。
バイオメカニクスの視点だけでなく、神経学的な背景の理解に関する情報も豊富で、大量の引用文献がその質を保証してくれます。
また実際の治療アプローチの例も提示してあり、バイオメカニクスや神経学に基づく情報を具体的にどう臨床に繋げるのかという側面においても有用な書籍です。
作業療法士が基本的動作の理解に困った時に読むべき書籍その③
「アウェアネス介助論 ー気づくことからはじめる介助論ー 上・下巻」 シーニュ 2011
上記の書籍は日本にキネステティクスを紹介した澤口Drによる解剖、生理学、神経学、発達学、発生学、心理学、ボディーワークなど幅広い知見に基づいた人の動きとその支援を理解できる圧倒的なボリュームの書籍です。
活字に基づく理解に偏らず体験的に学ぶ工夫がなされた書籍です。
またDVD映像を通じて基本的動作の理解、実際の支援方法(療養病棟での実践も含む)をリアルに学ぶことができます。
個人的に人の動きの理解のために書かれた書籍としては、最高の内容であると感じています。
ずばり名著です^_^
今回は作業療法士のための基本的動作の理解を促す書籍を3つ提示しました。
ぜひ手に取っていただき、自身の成長と対象者の支援に還元してくださいませ^_^