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作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

作業療法士のためのポジティブ心理学14 人間関係・利他的行動・貢献

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作業療法士のためのポジティブ心理学14では、人間関係、利他的行動、貢献をキーワードに幸福につながる作業や活動についてまとめてます。

 

ポジティブ心理学の研究を通じて明らかになったことは、人の幸福、生活の満足度に対して大きな影響を及ぼす要因は「人間関係」「人とのつながり」であることです。

 

ポジティブ心理学の提唱者セリグマンのPERMA理論では、幸福を満たす要素としてR(relationship)、すなわち「良好な人間関係」をあげています。

 

ポジティブ心理学者のリュボミアスキーはその著書「幸せがずっと続く12の行動習慣」で、12の行動習慣のうち、人間関係に関連する行動習慣を5つあげています。

 

「感謝の気持ちを表わす」 「考えすぎない、人と比較しない」 「親切にする」 「人間関係を育てる」  「ひとを許す」

幸せがずっと続く12の行動習慣

幸せがずっと続く12の行動習慣

 

 

また人生や生活における目標を達成することや困難な状況を乗り越えるためにも、他者、社会的なつながりが不可欠であることはいうまでもありません。

 

世界最大の世論調査会社であるギャラップ社の1500万人を対象にした調査では、仕事や職場において「職場に親友と呼べる人がいる」「上司や同僚が自分のことを気にかけてくれる」と答えた社員のほうが、そうでない社員よりも生産性が高く、仕事の成果やエンゲージメントも高いとの報告がなされています。

 

さらに世界的企業のグーグル社の研究調査では、生産性に最も影響力のある要因は「心理的安全性」であった報告しています。 

 

「心理的安全性」とは自身が働く職場が仕事の取り組みや成果において提案や失敗を否定されたり糾弾されない環境であるという労働者の安心感を意味します。

 

つまり他者、社会から認められている、承認されているという感覚が持てる時に、人は自身の能力や強みを最大限発揮することができる、つまりユーダイモニア的幸福を感じることができることを意味します。

 

 

翻って心理学者のアドラーは「人の悩みの9割は人間関係である」と述べています。

 

人間関係の悩み、煩わしさは他者、社会的つながりを持って生活する上では避けて通れないものでもあります。

 

一方でアドラーは「人生における真の喜びは人間関係の中からでしか得られない」とも述べています。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

 

アドラーがいう人生における真の喜びをユーダイモニアと結びつけて考えると、他者や社会とつながるための利他的な行動や社会への貢献につながる活動が真の喜びをもたらすものである、つまりウェルビーイングの向上と考えることができます。

 

 

作業療法の場面、さらにリハビリテーションのいう領域においてはICFという概念で提示されている「参加」というレベルが他者、社会とのつながりと紐付いていることがわかります。

 

誰かのために、誰かとともに時間と心を占有する活動(Occpation)に従事することを支援し自律を促進することが、幸福を促進する作業療法であると考えています。

 

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次回作業療法士のためのポジティブ心理学15では最終回としてエンゲージメント、フロー体験を取り上げ、作業療法との接点について論じます。