作業療法士のためのポジティブ心理学③では「幸福の公式」について紹介します。
「幸福の公式」はポジティブ心理学者であるソニア・リュボミアスキーらによって提唱されたものです。
H(Happiness)=S(Set range)+C(Circumstance)+V(Factor under voluntary control)と表されている式です。
Sは「遺伝的に決められた設定値」とされ、生まれつきどれだけ幸福を感じるかという素質、個人因子を表します。
Cは「環境要因」で、人を取り巻く人間関係、仕事や収入、所有物などを表します。
最後のVは「意図的な行動」を表し、自分の意図や行動によって帰ることのできる要因になります。
この式で大事なのはそれぞれの比率です。
Sが幸福に寄与する比率は50%、Cは10%、そしてVは40%を表されています。
そしてリュボミアスキーは幸福になるための最大のカギは、40%の比率であるV「意図的な行動」にあることを提唱しています。
当然Sの遺伝子を変えることはできません。
そしてCである環境要因は他者との比較による相対評価によって得られる幸福であるため持続的な幸福にはつながりにくいとの指摘もあります。
幸福に寄与する割合が40%を占めるV「意図的な行動」は、まさに自分自身でコントロールが可能な要素になります。
幸福につながる行動、考え方を意図的に日常生活で実践することをポジティブ心理学は提案しています。
ソニア・リュボミアスキーは以下の書籍で12の幸福につながる行動習慣を提示しています。
ポジティブ心理学を学ぶことで作業療法の対象者にも幸福につながる行動や考え方を体験的に教授し、習慣化を支援することが可能になると考えています。
次回作業療法士のためのポジティブ心理学④ではセリグマンが提唱したPERMA理論の中からポジティブ感情についてその種類や効用についてまとめてみます。
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