blueskycarp’s blog

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肩甲骨の代償を減らすコツ

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「上肢の挙上運動、リーチ動作の際に肩甲骨の代償が強く出て困っています。どうしたらいいですか?」

 

先日代行訓練の申し送りで担当者から上記のような相談を受けました。

 

上肢の運動麻痺や肩関節の術後の筋力低下のため、肩関節の屈曲を必要とするリーチ動作の際に、肩甲骨が過度に挙上してしまうという現象に遭遇する場合があります。

 

肩甲骨の代償です。

 

代償が生じたまま練習することで、リーチ動作に必要な筋活動、運動学習を阻害する可能性があります。

 

肩甲骨を過度に挙上させての上肢の使用は効率が悪く、肩の痛みを誘発させたり、生活の中で麻痺手を使用する動機付けを低下させる要因になると考えています。

 

今回は肩甲骨の代償を減らしてよりよい運動学習を促すためのコツについてまとめてみます^_^

 

 

コツ①まずは適切な難易度設定をする

  肩甲骨が過度に挙上してしまうのは練習、課題の難易度が高すぎることが考えられます。

 

  目標とする生活動作に必要な肩関節の運動範囲や運動負荷を練習する前段階を綿密に設定する必要があります。

 

  課題志向練習として適切な難易度設定になっているか練習の姿位、机や対象物の高さ、距離の調整を図りましょう。

 

 今回の代行の際には側臥位でのワイピング、座位で自身の大腿上でのワイピングを機能的な練習として実施しました。

 

 

コツ②肩甲骨の安定化を図る

   肩甲骨が過度に挙上してしまう理由として肩甲骨を内転下制する筋活動の不足していることが考えられます。

 

  上肢挙上の際には肩甲骨が上肢の重さを支えるアンカーとして機能する必要があります。

 

   アンカーとして機能するために内転下制に寄与する僧帽筋下部繊維の筋活動を促通する必要があります。

 

   具体的なトレーニングとして代行では側臥位でのPNF肩甲骨の後方下制パターンおよびスタビライジングリバーサルズを実施しました。

参考動画 


スタビライジングリバーサルズ①


スタビライジングリバーサルズ②

 

 

コツ③肩甲骨がアンカーとして機能するための体幹の安定性を図る

 肩甲骨がアンカーとして機能するためには胸郭と骨盤帯が腹部の筋活動でつながり固定点として安定している必要があります。

 

コツ②で提案した肩甲骨の内転下制は身体重心を後方に移動させることになります。

 

そのままでは体幹は後方にのけぞるようになり手が対象物に接近するための機能的なリーチにはつながりにくくなります。

 

そこで胸郭が後方に回転しないように腹部の筋活動で胸郭の安定を図っていく必要があります。

 

つまり腹筋群が働たらき重心位置を前方に修正するような働きです。

 

腹横筋、腹斜筋の活動を促し、胸郭の安定を図っていくトレーニングを実施します。

 

具体的なトレーニングは今回の代行ではPNFの骨盤前方挙上パターンを実施しました。

 

参考動画


06:骨盤帯 前方挙上

  

アプローチの流れとしてはコツ③→コツ②→コツ①とボトムアップ的に積み上げながらトレーニングしていきました。

 

 

肩甲骨の代償を軽減するためには、姿勢が安定し肩甲骨がしっかりアンカーとして機能するための土台づくりが必要と考えています^_^