動くようになった麻痺側上肢手を生活場面では使用していない
「できるADL」と「しているADL」の乖離
訓練室での活動以外ではベッドで臥床して過ごしてしまっている
セラピーで改善、獲得した機能・能力を実際の生活場面で発揮してもらうこと、そしてそれがさらなる機能回復と活動向上、社会参加につながることが、「真の訓練効果」ではないでしょうか。
真の訓練効果に繋げるためには対象者の行動変容を支援する必要があると考えています。
今回は行動変容を支援するコツについてまとめます^_^
行動変容を起こすために必要なkey pointは ①重要性の認識 ②自信の有無 です。
①重要性の認識は、標的とする活動や行動が対象者の価値観に一致している、意義や意味を感じていることを指します。つまり標的とする活動、行動を遂行することが対象者自身の健康や幸福を促進するために大切であると認識していることが必要になります。
②自信の有無は、心身に機能障害があっても標的とする活動や行動を遂行することができるもしくはできないという認識です。これは活動や行動の難易度や実施する際の安全性の認識にも影響されます。
標的とする活動の遂行が簡単(つまり自信がある)であっても重要性の認識が低ければ行動変容には繋がりません。
逆に重要性の認識は高いが、標的とする活動の遂行に多大な努力を必要とする、難しい、1人ではできないとの認識の場合(自信がない)も行動変容には繋がりません。
前者の場合は重要性の認識を高めるために、標的とする活動や行動の目的や意義、効果を対象者の価値観に合う形で伝えることが必要です。
さらに標的とする活動や行動の選択には対象者自身が決定に参加する、つまり対象者自身のコミットメントを引き出すことも重要です。
後者の場合は、動作や活動遂行の効率性の向上を図る心身機能への治療的アプローチとともに難易度調整のための物理的環境調整や人的サポートの利用の検討もあわせて実施し、成功体験を積み重ねながら自信の向上を支援、促進することが必要です。
以上行動変容を支援するコツについてまとめてみました^_^
真の訓練効果を提供できるよう行動変容に繋げる知識、技術の研鑽も図っていきましょう^_^
<参考文献>
行動変容に繋げる面接技法を学ぶにはこの書籍です^_^
麻痺側上肢のための行動変容を学ぶにはこの書籍です^_^

行動変容を導く! 上肢機能回復アプローチ 脳卒中上肢麻痺に対する基本戦略
- 作者: 道免和久,竹林崇
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2017/10/23
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