ワイピングex③では机の高さについてまとめてみます。
机の高さはどう設定すべきか?
机上でワイピングする際、机の高さは何を基準に設定しているでしょうか?
机が高すぎると肩甲帯の代償が、低すぎると体幹の代償がでる傾向にあり、機能的なリーチ動作の学習のため適切な高さを設定する必要があると考えています。
人間工学に基づくと理想的な机の高さは=身長×0.25-1+身長×0.183-1で求められるとされています。一般に、既製品の机は上記の計算式に基づいて70cm前後で設定されていることが多いようです。
しかし臨床ではその都度計算式に基づいて高さを算出するのは現実的ではありません。
また特に高齢で脊柱の変形のあるような対象者には既存の机では高すぎる場合も少なくありません。
臨床では対象者の身体状況の個別性に応じて、より高いパフォーマンスを引き出せる設定を簡便にできる必要があると考えています。
僕は患者さんに非麻痺側上肢で小さい前習えをお願いしてその際の肘の高さ、もしくは小指(尺側)の高さに設定するようにしています(机上での上肢機能検査(STEFなど)の実施の際も同様の設定にしています)。
訓練室であれば高さ調節できる机があるのでそれで高さを調整します。
机の高さが変えられない場合は座面の高さを調整することで対応します。
小さい前習えに基づいた基準であれば、より簡便で適切な設定が可能になると考えています。
次回ワイピングexのコツ④では目標物の設定の有無、方向についてまとめてみたいと思います。