ワイピングexを導入、開始する前に上肢運動の土台となる姿勢とその安定を準備する必要があります。
姿勢の安定を保障することは、上肢を動かす筋の起始部を安定させることになります。
筋肉自体はその両端が中心に向かって縮むことしかやっていないので、起始とされる部分(付着してる部分が中枢にある方を便宜上起始と呼んでいる)が安定せずグラグラしていたのでは、機能的に縮んで関節運動を起こすことが難しくなります。
では姿勢とその安定を促す上で留意点についてまとめてみます。
留意点①足底はしっかりと接地しているか?
麻痺側の足底がしっかり接地していることが機能的にワイピングするために重要です。
機能的な上肢の動きのためには足底でしっかり床を捉え床半力を股関節、骨盤、脊柱で受け止めてくれること(踏ん張れること)が必要です。
踵が接地しているかどうか、股関節が過度に外旋している影響で足部が内反していないか確認します。
背屈制限があることで踵が浮いているようであれば、踵の下にタオルなどで補高して踵の接地を補います。
股関節が過度に外旋しているようであれば、大腿骨を中間位に修正し、大転子が安定するように臀部にタオルを挿入し、床半力が股関節を通るように設定します。
もう一つ非麻痺側の足部の位置も気をつけたいポイントがあります。
多くの患者さんで非麻痺側の膝を屈曲させて足部を引き込んで体を安定させようとする現象を認めます。
引き込むことによって姿勢は屈曲優位な傾向になり、以下に述べる上肢運動に必要な抗重力的な姿勢を阻害する要因になります。
非麻痺側の足部の位置もしっかりと接地するようセッティングしましょう
留意点②姿勢は対称的で抗重力的か?
極端に非対称な姿勢、そして骨盤後傾 、屈曲優位の姿勢では機能的、効果的なワイピングexは期待できません。
可能な範囲で骨盤を立て脊柱が重力に抗している姿勢の中でのワイピングexを行うことが望ましいと考えています。
抗重力姿勢を促すためには以下の記事を参照してください^_^
いずれも留意点も患者さんには「フォームを整えましょう」と伝えています^_^
どんなパフォーマンスも開始姿勢、フォームがしっかりしていることが重要ですよね^_^
次回ワイピングexのコツでは机の高さや目標物の設定の有無、対側の上肢の位置はどう設定すべきか?などマニアックなポイントについてまとめてみようと思います^_^