blueskycarp’s blog

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ワイピングexのコツ①〜その適応と目的〜

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身体障害領域の作業療法では上肢の機能改善を目的に、机上や壁面でのワイピングex(サンディング)を導入することが多いのではないでしょうか?

 

特に随意運動は可能であるが上肢を十分に滞空できないケースの場合は、空間でのリーチ対象操作の前段階として、机上で手部を滑らせて目標物にリーチする課題志向練習を実施する場面を多くみます。

 

しかしワイピングexは作業療法の臨床でよく実施されているものの、その適応と目的、段階づけや展開方法、エビデンス(効果)などの情報は不足していると感じています。

 

本記事、ワイピングexのコツではシリーズでは、片麻痺症例を想定して適応と目的を整理した上で実施上の留意点や展開・段階付のコツについてまとめていきます。

 

 

【適応と目的】

 ①適応:上肢の随意運動(BrsⅢ以上)が可能であるが、上肢の滞空や分離運動が不十分な症例

     目的:より機能的なリーチ動作の獲得を目的として

 

 ②適応:上肢の随意運動の機能が不十分である(BrsⅡ〜Ⅲ)症例

     目的:補助手、特に対象物を押さえる・保持するという機能の獲得を目的として

 

 ③適応:感覚障害、半側無視のある症例

     目的:麻痺側上肢手への感覚入力と自己管理の獲得を目的として

 

 

以上は私見に基づく適応と目的になりますが、適応と目的を考える際、神経学的にはいずれも手部からの感覚入力が大事であると考えています。

 

タオルなどに接触してる手掌面からの皮膚感覚の入力を手掛かりとして上肢の随意運動のための身体図式が形成されるチャンスを提供できます。

 

感覚入力に基づく身体図式は頭頂葉で形成され、その情報を前頭葉に送ることに基づいて前運動野(運動前野、補足運動野)で運動プログラムが生成されるからです。

 

以上はワイピングexの神経学的な根拠であると考えています。

 

特に手指の随意性の低下や感覚障害によって、末梢部の身体図式が形成されないことによってリーチ動作に必要な近位部の筋活動が賦活されにくい状況にある症例に対しては、導入として他動的なワイピングexによってタオルなどに手部をしっかり擦るという経験が重要であると考えています。

 

 

以上、私見になりますがワイピングexの適応と目的、そして神経学的根拠についてまとめてみました。次回ワイピングexのコツ②ではワイピングexを導入するにあたっての留意点についてまとめていきます。