療法士は「できるADL」を改善して、その能力を「しているADL」につなげるという役割があります。
その為には入院生活を直接支援している看護介護スタッフの方との連携が特に欠かせません。
しかし連携がうまくいかないこともあります。
職種それぞれの価値観の違いや置かれている環境による物理的・時間的制約によって、維持改善したい心身機能や訓練で向上したADL能力を実際場面で活かすことができない現実があります。
そのため信念対立によってチームとして機能不全に陥る場合もあり、連携の難しさを感じることがあります。
信念対立に陥らない他職種連携のコツそれは、まずは返報性の原理に基づいて連携相手の問題(特に看護介護上困っていること)をサポート、解決することであると考えています。
返報性の原理、まずは連携相手が求めているものをサポート・与えることで、お返しとしてこちらの要望を聞いてもらいやすくなるという戦略を取ります。
看護介護上困っていること=生活上、ADLの問題です。
オムツ交換の時の体位変換が難しい、移乗の介助が大変、食事に介助が必要で人員が足りない、便器に安定して座れず常に見守りが必要、立ち上がり立位保持が難しくトイレでの下衣の介助に2人必要、入浴は機械浴で全介助、昼夜逆転で夜眠れず不穏になり安全管理のため見守りが必要、…
上記の困り事は看護介護上の問題ですが、患者さん自身の抱える問題、そして療法士の課題でもあります。
生活において看護介護、患者、療法士が共通して困っている問題の解決を中心に据えることで、連携がしやすくなります。
連携にあたってはまずは看護介護上困っていることを聞いてみましょう。そしてそれを解決するために療法士としてできることを考え、実践してみましょう^_^
そういった取り組みの積み重ねによって、療法士としての要望にも応じてもらえるようになりますよ^_^