blueskycarp’s blog

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作業療法士のための痛み学③〜虚血と不活動による痛みについて〜

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「作業療法士として患者さんの訴える痛みにどう対応していいのか分からない」

「作業療法士として痛みを訴える患者さんの生活をより良くしたい」

「作業療法士として痛みを理解、対応するためにどう勉強したらいいのか分からない」

 

作業療法士のための痛み学は連載形式で、痛みの理解とその対応について学べるように記事にしています。

 

今回、作業療法士のための痛み学③では虚血と不活動に伴う痛みについてまとめています。

 

まずは虚血と痛みについてです。

 

虚血の痛みで代表的なものに心筋梗塞の痛みがあります。

冠状動脈の狭窄、閉塞により心筋が虚血→酸素不足という状態になります。

すなわち低酸素状態になります。

 

低酸素状態になると組織には嫌気性代謝による乳酸の蓄積、ブラジキニンの産生の増加、細胞内からのカリウムイオン漏出が起こるとされています。

乳酸、ブラジキニン、カリウムイオンはいずれも発痛物質です。

 

つまり組織の低酸素状態により生じた発痛物質によって自由神経終末が刺激されることで痛みが生じるというわけです。

 

ちなみに正座した時の痛みしびれ、階段を何十段も一気に駆け上がった時の大腿部の痛みも低酸素状態による痛みであるとされています。

 

次に不活動による痛みについてです。

 

不活動すなわち不動状態による痛みは2週間で生じるとされ、不動期間の延長によって慢性疼痛に発展するとされています。

 

不動によって表皮の変化(角質層の乱れ、菲薄化)、自由神経終末の側枝発芽などが起こり、外部からの刺激に対して鋭敏になることが分かっています。

 

また関節においては自由神経終末の自発放電の増加などの末梢性感作(自由神経終末の閾値低下)、そして脊髄レベルで中枢性感作(脊髄2次ニューロンの過敏状態)も生じることが分かっています。

 

上記の状態では本来痛くない刺激(軽い接触、生理的な範囲での動き)を痛みに感じる(アロディニア)、弱い痛みを強く感じる(痛覚過敏)、何もしなくても痛い(自発痛)、周辺も痛い(放散痛)を示すことになります。

 

特に重度の機能障害による不動、リスク管理上の安静を強いられている患者さんの痛みの背景には軟部組織、筋肉の虚血状態と不活動による末梢性感作があると考えて対応する必要があると考えています。

 

虚血に対しては軟部組織、筋肉に対するモビライゼーション(平たく言えばマッサージ)による循環の改善図り、発痛物質の代謝を促します。

 

末梢性感作には痛みを起こさない程度の機械的刺激による感覚入力を、患部もしくは患部と機能的、解剖学的につながりのある身体部位に図ります。

 

つながりのある身体部位はアナトミートレインによる筋膜の知識、PNF の運動パターンによる運動連鎖の知識に基づいてを実施しています。

 

 

 

次回、作業療法士のための痛み学④では痛みが持続する要因となる末梢性感作、中枢性感作について深掘りして、その理解と対応について解説します。

 

 参考文献

shinkoh-igaku.jp

痛みの考えかた   しくみ・何を・どう効かす

痛みの考えかた しくみ・何を・どう効かす

 
ペインリハビリテーション

ペインリハビリテーション