「ボバースアプローチって効果あるの?」
「ボバースアプローチって役に立つの?」
「何でボバースアプローチを学んでいるの?」
僕は作業療法士としてボバースアプローチを学び続けています。
基礎コース受講したのは2005年ですから、本格的に学んで14年になります。
上級者コースの受講は2010年、その後は定期的に地域の研修会などに参加して知識やリース二ング、ハンドリング技術のブラッシュアップを図っています。
そんな僕がボバースアプローチを学び続ける理由について解説し、上記のいくつかの疑問に答えたいと思います。
理由①基礎医学の知見の臨床応用を学ぶことができる
ボバースアプローチは何か特殊なこと、特殊な手技をやっているように思われているかもしれません。
しかしその治療技術、展開はすべて解剖学、運動学、生理学、心理学そして神経科学の知見に基づいています。
それら基礎的な知見を対象者の障害像に合わせてどう臨床応用するかを学ぶことができます。
特に神経科学の知見の応用については、論文や書籍からだけでは学ぶことが難しいと感じています。
基礎医学の臨床応用を具体的に学び、自身の臨床に活かすことができるという点で非常に有益であると感じています。
理由②セラピーの一連の流れ、思考過程、展開を学ぶことができる
ボバースアプローチの研修の特徴は、なんといってもライブデモンストレーションでしょう。
インストラクターによる実際の患者さんの治療をみることができます。
そこでインストラクターの観察の視点、問診の内容、触診を通じての感覚、活動や課題の選択の仕方、治療道具の適応、声かけの内容やタイミング、そしてそれらのリーズニングについてリアルに学ぶことができます。
単一のテクニックや活動、運動課題ではなく何を、いつ、どのように、どのくらい、そしてなぜ選択し提供するのかを学ぶことができる、そして自身の臨床に活かすという点で非常に有益に感じています。
理由③学んだことを実際に活用でき、フィードバックを得ることができる
ボバースアプローチの研修では治療実習があるものがあります。研修で学んだことを実際の患者さんを通じて確認し、より理解を深める、実践的に治療できるためのフィードバックを得ることができます。
正直、治療実習はとても緊張します。
自身の未熟さや弱さと葛藤する体験にもなりますが、その体験はストレッチゾーンとなり、自身の学びと成長を促すという点で非常に大事な体験であると思っています。
理由④対象者さんの変化をまじかに確認することができる
これもライブデモンストレーションを通じてリアルに確認できます。患者さんの姿勢が代わり、機能的な活動が実現される場面を何度も目の当たりにしてきました。エビデンス、統計学的な点での効果は実証されていませんが、個別事例を通じての変化や効果は確実に存在すると言えます。
理由⑤インストラクターの人間性にほれる
最後はインストラクターの人間性にほれてしまったという理由も学び続けている大きな理由です。
すべてのインストラクターに会ったわけではありませんが、僕の知るインストラクター、特に作業療法士のインストラクターの先生方は、常に患者さん中心で、そして回復を追求する姿勢と技術を提示してくださっています。
そしてインストラクター自身も臨床とトレーニングを通じて成長のための挑戦を続けておられるところにセラピストのあるべき姿として共感を覚えます。
以上ボバースアプローチを学び続ける理由をまとめてみました。
個人的にはボバースアプローチを学ぶことで、患者さんの抱える機能的な問題を全身的な視点で捉え介入することができるようになったと思っています。
すべての機能的な問題を解決することはできませんが、これからもボバースアプローチを僕の作業療法の重要な引き出しとして研鑽し続けていきます。