「患者さんを担当し始めたけど、どうもラポール形成がしっくりしない」
「患者さんに信頼してもらえている実感がない」
「もっと患者さんに信頼してもらえる人材になりたい」
今回は日々の臨床でラポール形成に悩む療法士向けの記事となっています^_^
患者さんとのラポール形成、信頼関係を築く為に必要な要件はなんでしょうか?
丁寧な説明、共感的な非言語的サイン、患者の要望に沿ったセラピーの提供、心身にポジティブな変化を感じてもらえるための診療技術…など様々な要件が考えられます。
しかし上記の要件は、経験や知識に基づくコミュニケーション能力や診療技術に依存するところが多くなると考えます。そこで経験や知識に依存しない要件として活用したいのが単純接触効果です。
単純接触効果とは繰り返し接すると好感度や印象、評価が高まるという効果です。アメリカの心理学者ザイオンスが報告しました。
この効果に基づくとラポール形成のコツはまず「患者さんと接する時間を増やす」という戦略をとることにになります。
例えば朝の診療前に挨拶がてら調子を訪ねに伺う、昼食の時に午前中の訓練の感想を尋ねてみる、廊下のすれ違いに声をかける、夕方の終業前にお疲れ様でしたと声をかける、といった具合に訓練以外の時間も活用して接触時間を増やすことができます。
また3単位ある訓練の時間、診療単位を分けて訓練スケジュールを組むことでも接触時間を増やすことが可能です。
僕は認知機能の低下によって作業療法への動機付けが難しい方、訓練拒否のある方には単純接触効果に基づく関わり方を実践することで、少しずつ訓練に取り組んでもらえる状況を整えていきます。
もちろんラポール形成には、専門家として認めてもらうための知識、技術を研鑽していく姿勢と行動が欠かせません。
一方でヒトの関わり、他者から承認を得る原理原則を利用した対応も活用するとよいと考えています。
今回の記事がラポール形成の一助になると幸いです^_^
以下参考文献です。人が承認する要件を社会心理学や行動経済学などの実証研究に基づいてまとめられたものです。おすすめです^_^