blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

立ち上がり動作の観察のコツ

   立ち上がり動作は基本動作でありPTの守備範囲です。しかしトイレ、入浴、更衣などの生活動作ではそれらの動作を立位で遂行するための通過動作として必要であるため、OTとしてもその遂行度を評価できる必要があると考えています。

 

  今回は下肢の筋力はあるのにうまく立ち上がることができないケースを例にしています。立ち上がるため前傾姿勢になりお尻はなんとか浮きますが(屈曲相は可能)、そこからさらに重心をあげようとすると尻餅をついてしまう(伸展相で失敗)事例です。

 

  観察、評価のポイントは膝の動きです。機能障害のない場合の立ち上がりでは、下腿が前傾するに応じて膝が前方に少し移動するという現象が確認できます。しかし伸展相で失敗するケースの多くは膝が後方に移動します。お尻にある体重が足底に十分に移動せず、踵体重のまま下肢の伸展活動(突っ張る)を行うため、後方重心となり結果的に尻餅をついてしまいます。

 

  その背景には足関節の背屈制限(下腿の前傾が困難)、足底感覚の低下、体幹機能の低下(前傾姿勢の遠心性の制動が困難)、痛み、動作への恐怖心の存在など様々な機能障害が想定されます。アプローチとして左記の機能障害の軽減を図りながら動作練習をしていく必要があります。

 

 立ち上がりの観察の視点は他にもあるかと思いますが、膝の動きにも着目することで筋力以外の問題点、機能障害が見えてきます。そして問題解決(うまく立ち上がることができない)のための糸口を拡げることができ、単なる動作の反復練習にとどまらない介入が可能になると思います。

 

基本動作を理解するためのお薦め書籍です^_^

動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践

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参考文献がないのが残念ですが、基本動作の理解にはとても有益です^_^