blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

ROMexのコツ②〜ボジティブな機能を活かす方法〜

  新人さん向けにROMexのコツについて指導したことをまとめてみます。

 

   ROM exでは可動域の拡大を意図して、最終域で筋肉や軟部組織をストレッチする方法が一般的、標準的なアプローチであると考えています。ただその方法で可動域が拡大できればいいですが、うまくいかないケースも多く存在しています。そういう場合は別の方法、引き出しをもって対応することが大事であると考えています。今回はポジティブな機能、要素を活かす方法を2つ紹介しました。

 

 例えば下肢の屈曲制限に対する場合(痛みが無い)、次のようなアプローチを提示しました。

 

 アプローチ①股関節屈曲最終域に誘導→最終域から少し戻した位置で当該股関節の別の運動方向への動き(内外旋、内外転)を誘導、反復→再度股関節屈曲運動を誘導する→可動域の拡大

 

  この方法のポイントは屈曲方向への運動は制限があるのでネガティブな要素になりますが、屈曲方向以外の制限がない、もしくは少ない運動方向への誘導、つまりポジティブな要素への誘導によってネガティブな可動域の拡大を促せることができるところです。

 

2つめのアプローチは以下の流れです。

 アプローチ②股関節屈曲最終域に誘導→その状態を保持したまま、対側下肢の伸展活動を促す(踵でセラピストの手を押し付けてもらう、立膝にしてブリッジしてもらうなどを反復)→可動域の拡大

 

 この方法はPNFの考え方、方法に準ずるもの(イラディエーション)です。機能障害のない対側下肢の機能、ポジティブな機能を使うことでネガティブな要素にアプローチ、改善を促すことができます。また対象者にはより積極的に治療に参加してもらうこともできます。

 

  対象者のネガティブな機能、要素をよりよい状態に促すためには、ポジティブな機能、要素を活かすという考え方、方法はROM exに限らないものです。最終域で痛みを我慢してもらいながらのストレッチという選択(ネガティブな状態を外力で矯正する)よりも、対象者も参加できるポジティブな方法を選択できるセラピストでありたいものです。