blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

生活期を見据えた回復期リハのあり方

  これからの回復期リハは将来の入院期間の短縮を見越して訪問リハ、外来リハ、通所リハ、地域包括ケアといった生活期のリハを見据えた関わりが重要であるとされています。回復期リハの入院期間だけで対象者の回復、健康、幸福の促進を完結させることはできません。

 

  生活期リハを見据えた回復期リハのあり方はどういうものなのか、勉強したことをまとめてみました。参考にした文献は以下のものです。

www.ishiyaku.co.jp

  回復期リハに求められていること、制度上の使命は、寝たきり防止、ADLの向上、早期家庭復帰とされています。これらは機能障害を軽減することで独力でできることを増やす、一人称的な行為の獲得に重きが置かれます。

 

  一方で生活期リハのキーワードは「活動・参加へのアプローチ」「個別性、社会的背景に基づくアプローチ」「主体的な目標設定」と提示されています。回復期では一人称的な行為の獲得に重きを置かれていますが、生活期では「誰かと…」「誰かのために…」といった2人称の行為の獲得、つまり役割や社会参加に重きが置かれています。それは対人交流、生活圏(空間性)、時間性(今日は、明日は、今週は、今月はどこで、何をするのか?)といった生活における3つの側面の拡大を支援するものとして提案されています。

 

  生活の拡がりを支援する上で重要となってくるのが、対象者の興味関心、生活習慣、役割そして生活において大事にしていること=価値観の把握です。これらは個別性、社会的背景に基づくアプローチに繋がるものであり、同時にその実現には対象者本人の主体性が求められます。これらの要素の理解については以下の書籍が大変有用です。

高齢者のその人らしさを捉える作業療法

高齢者のその人らしさを捉える作業療法

 

   上記書籍ではその人らしさ=個別性とは、人と人との関係性の中ではじめて成立する概念であるとし、それを支援することとは、本人が望む役割を担うことができる、価値観を実現できることを目指すことであるとされています。

 

  回復期リハでは、最大限の機能回復の促進と一人称レベルでの行為の獲得を目指しながら、同時進行で対象者の役割や価値観を把握し、それを実現出来る作業や活動を経験するための場面を提供すること、そしてそこで得られた情報(役割・価値観の内容、経験を通じた対象者の思いや反応)を生活期を支援する人たちに円滑に情報提供することではないかと考えています。そうすることでより効率的に生活期でのリハが対象者らしさに基づいたアプローチに繋がるのではないかと考えています。