先日新人さんにROMexのこつを指導しました。具体的には肩甲骨の動きの評価と評価に基づいた動きの引き出し方について指導したのですが、肩甲骨の動きや動きを邪魔している組織がよくわからないとのことでした。
わかるようになるポイントとして、手を柔らかく使い手を感覚器として機能させるために療法士の姿勢、身体の使い方が大事であることを強調しました。
あぐらでROMexをしている療法士を見かけます。あぐらでのROMexは療法士の腕だけが動くことになり、胴体は止まっています。患者さんの四肢、関節を動かそうとする腕手に対して胴体はブレーキをかけている状態です。そのため手には無意識に力が入る状態になり、患者さんの身体からの情報をキャッチすることが難しくなります。
また(療法士の腕の長さ×重さ)+(患者さんの四肢の重さ)が療法士自身の胴体、特に腰に負担をかけ腰痛の一因にもなります。
大事なのは療法士は手腕だけでなく自身の身体全体を使った重心移動を伝えることで、四肢や関節の動きを促します。そうすることで手が感覚器として機能し、患者さんの身体からの情報、つまり動きや邪魔している組織を感じ取れることができるようになります。
効果的なROMexを提供する、そして療法士自身の身体を守りより長く貢献できる人材になるためにも、身体全体を使ったROMexを実践しましょう^_^

臨床OT ROM治療 運動・解剖学の基本的理解から介入ポイント・実技・症例への展開
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