blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

端座位練習のコツ②

  前回記事、端座位練習の記事が好評だったので、今回は後方へのつっぱりが非常に強い方の端座位練習のコツ(誘導の仕方)についてまとめてみます。

 

 特に脳損傷後、全身状態が安定せず長期臥床状態で回復期に転院してこられた方に多いと感じています。座位に誘導しようにも体幹の前屈を誘導できず強い抵抗にあいます。なんとか起こしても後方に突っ張ってしまい端座位を維持することも難しいです。

 

こういったケースに対しては次のように対応するとうまくいくことが多いです。

 

①寝返りのためのスペースを作るため身体全体を麻痺側方向に水平移動する介助を行う。水平移動の際は頭部、胸郭、骨盤、四肢(一肢ずつ)を抵抗の少ない範囲でひとつずつ動かしていく(キネステティクスの概念に基づく方法)

 

②開けたスペースに背臥位から側臥位へ誘導する。麻痺側膝を立て、下肢、骨盤から屈曲方向に誘導するとつっぱり少なく誘導できることが多い。

 

③安定した側臥位(可能な範囲で頭部、胸郭、骨盤が同一線上にある、そして股関節膝関節90度屈曲)に誘導し、安定を確認してから非麻痺側の下肢をベット端に降ろす。

 

③側臥位の状態でベッドギャッジを利用して上体を起こしていく。ギャッジの角度は安定した側臥位が維持できる範囲で徐々に起こしていく。途中でもう一方の下肢(麻痺側)をベッド端に下ろす。

 

④ギャッジで起こすー再度側臥位に戻るを複数回反復する。その間血圧の変動を把握するため血圧測定をする。反復することで支持面(自重が支持面にかかる圧の変化)、前庭器官、重心移動の変化を提供することで重力対する適応を促す。

 

⑤ギャッジを起こした状態から、頭部(額)をセラピストの身体(肩、胸、額など)に近づけるようもしくは接触を保つように声かけしながら上体をベッドから離すよう誘導する。

 

⑥頭部(額)をセラピストの身体に接触させ安定させる。後方に突っ張る傾向が残っているようであれば、額でセラピストの身体を押すように声かけする。

 

⑦非麻痺側手で手すりを過剰に押してしまう、手すりを過剰に引き込むケースもあります。その場合頭部の安定を図ったまま非麻痺手での握手を求める、そして自身の膝に優しく載せておくように声かけします。

 

ポイントは支持面への適応、頭部の安定、安定して座る方向のオリエンテーションであると考えています。つっぱりが強い対象者に遭遇したら無理やり起こさず(無理やり起こすのはプロの仕事ではありませんよね)、上記のプロセスを丁寧に実施してみてください。