blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

座り過ぎに対するマネジメント

   昨日、管理業務の合間に訓練室に顔を出してみると、僕の担当の患者さん(重度の右片麻痺の男性)が介護士さんと一緒に車椅子で訓練室に来られていました。患者さんの表情も硬かったのでどうしたのか尋ねてみました。 

 

  介護士さん曰く落ち着きがないため、車椅子でゆっくり促しながら訓練室まで来てみたとのことです。この患者さんは失語の影響もあり自身の生理的欲求や苦痛をうまく言葉に表せない方だったため、まずはどのくらい車椅子で座っているのかご本人と介護士さんに尋ねてみました。正確なところは不明でしたが、昼食前から3時間以上は座っているのではないかとのことでした。これは座りすぎによる苦痛があると判断し、まずはその場で立位に誘導し、臀部、腰部の筋肉、軟部組織を動かし循環の改善を図るようにしました。その後患者さんの表情が少し和らぎ、喉が渇いているとの訴えも確認できました。

 

  介護士さんには次のように伝えさせてもらいました。

「寝たきりはよくありませんが、座りすぎもよくありません。僕たちも新幹線で東京まで4時間座席に座ったままだと辛いですよね。座っているだけで体が重くなり疲れますよね。循環が滞るからです。適度に休息の姿勢をとることも必要です。寝たきり、座りすぎ、つまり同じ姿勢でずっと過ごすことによる害(つらさ)があるので、可能な範囲で姿勢や体位の変換を支援できるといいんですけどね…」

 

  離床することの重要性はいうまでもありませんが、特に重度の機能障害がある方には座って過ごすマネジメントも考える必要があります。療法士はどうしても訓練時間内での関わりとなり、病棟、生活場面でどのくらい離床するか、座って過ごすかまでマネジメントすることの難しさがあります。また病棟も限られた人員の中で、座ったままになっている患者さんの対応まで支援が回らない現実もあるでしょう。支援する側としてはお互いに制約があるわけですが、療法士としてできることはシーティングの調整や工夫、自身のそして療法士同士の訓練前後の姿勢管理、できる範囲での病棟への姿勢管理の指導、助言をしていくことであると考えています。

 

 昨日の患者さん、今日は昼食後は自室ベッドで休息をとられていました。自室で訓練の声かけをすると表情良く作業療法に誘導することができました。

身体活動・座位行動の科学―疫学・分子生物学から探る健康

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