blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

枕の調整

  安楽に睡眠・休息を取るために、臥床環境を整える、ポジショニングを設定することも回復期のセラピストの役割です。特に機能障害が重度で自力でほとんど身動きできない対象者については、不動による循環不全や痛み、そこから派生する異常な筋緊張や廃用を予防し、活動のための心身のコンディションを整えることが必要です。今回は中でも枕の設定、調整についてまとめてみます。

 

 枕に乗せている頭頸部の位置や状態は全身の筋緊張に影響し、基本動作の遂行や姿勢保持に影響を及ぼすとされています。寝違えをすると首から下の動きも難しくなるのは誰もが経験することではないでしょうか。頭頸部の動きが痛みで制約されることで、動くための方向づけが難しくなります。背景には眼球運動や脊柱の動きが制限されることが考えられます。

 

  したがって頭頸部を自由に可動できることが、首から下の円滑な動きにとって大事な要素と考えられます。臨床では特に機能障害が重度の対象者の場合は枕に頭部を過剰に押し付けている様子があります。押し付けることで枕の中に頭部が沈み込んでしまっている場合もあります。沈み込むことによってさらに動きを制約されることになります。そのような状態にある対象者の寝返り、起き上がり、そして座位の誘導には強い抵抗を感じることになります。

 

  こういった対象者の場合は、枕の調整をはかります。多くの場合病院施設一律の枕であるため高さがあっていません。既存の枕を使用せずバスタオルを使って高さを調整をします。調整する目安は対象者の額に軽く手を乗せて他動で軽く左右に回旋を誘導します。枕の時に比べて他動で誘導できる範囲が少しでも拡大すればOKと判断しています。その後意思疎通可能であれば、自力で頭頸部の回旋を行ってもらいます。回旋できる範囲が広がることで、眼球や脊柱の可動性も拡大し寝返りが誘導しやすくなります。まずはベッド上で寝返り、体位変換しやすい身体状況を整えることが、脊柱の可動性や身体背面の皮膚や筋肉の循環不全の改善につながり、離床、活動のための準備になると考えています。

 

  今回は、少し見過ごされがちと考えている枕の設定、調整に焦点を当ててまとめてみました。離床介助が難しい対象者には是非、枕の評価も実施してみてください。最後に、必ず看護介護スタッフに、枕の変更とタオルでの設定の伝達を忘れずに行いましょう。