今日は中1の娘のフルートの発表会、アンサンブルコンテストの応援に行ってきました。僕も中学、高校と6年間吹奏楽に熱中していました。父親として、そしてOTとして娘の作業遂行がうまくいくよう次のようなアドバイスを行いました。
「緊張するのはみんな一緒。緊張すると呼吸が浅くなってフルートに息が入りにくくなるから、本番前、舞台袖では上半身をほぐすように動かすようにするといいよ。それから間違いは気にせず気持ちを客席に向けて音を届けるようにね」
管楽器は自分の呼吸、息を使って楽器を鳴らす、奏でるので多分に精神的緊張による影響をうけます。精神的緊張で、特に上半身の筋緊張が亢進します。横隔膜が下がりにくくなり、呼吸があさくなってしまいます。息が浅くなり呼気が不十分になるため、楽器がしっかり響きにくくなります。またコアマッスルが効きにくくなることで指の動き(フィンガリング)も悪くなる傾向もあります。
さらに精神的緊張は意識が内向きになります。「うまくいくかな?」「間違えたらどうしよう…」と意識が内向きになると、周りの楽器に合わせることが難しくなったり、音楽そのもののダイナミズムも失われてしまいます。
今日は中学生によるいろんな演奏を聴きました。いいなと思う演奏は、体を柔軟に使って、息を深く使いながら音を遠くに飛ばすように演奏していました。
楽器演奏に限らず、なにかうまく行っていない状態、作業遂行が低下している状態の背景には呼吸の浅さと、意識が内向きになる傾向があると感じています。息づかいを深くして意識を拡張することが緊張する場面のコーピングを高めてくれると考えています。

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