麻痺を呈した患者さん。「この手は治りますか」と聞かれることがあります。
僕は患者さんの目を見て、次のように答えるようにしています。
「治るか治らないではなく、一緒に治すんですよ」
「治る」という表現は他力な表現だと考えています。手の治療、訓練には患者さんの能動的な参加が欠かせません。セラピストに任せていれば治るという姿勢では、日常生活で機能する、使う手に到達することはできません。
「治す」という表現には本人の能動性が含まれます。患者さん本人が自身の体を管理し、問題解決を図り行動変容を起こす姿勢をもってもらうことが必要なのです。セラピストはそのサポート役です。
「治るか治らないではなく、一緒に治すんですよ」この言葉掛けで表情が一変する患者さんがいます。目の色が変わるのです。

行動変容を導く! 上肢機能回復アプローチ 脳卒中上肢麻痺に対する基本戦略
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