blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

若いセラピストの為の学びの指南書⑥

  今回学びの指南書⑥では経験学習の研究者、松尾睦先生の知見に基づいて、成長とはどういうことかに焦点を当てて、セラピストとしての成長について考えてみたいと思います。

 

  経験学習の研究者松尾先生は、社会人を対象とした調査(リクルート・ワークス研究所)では30代で成長が鈍化することを指摘しています。知識、スキルの固定化、過去のやり方への固執が成長感の低下を招くとしています。

「経験学習」入門

「経験学習」入門

 

  セラピストの領域も上記の指摘は当てはまるように感じます。特にルーチン化したセラピーを提供しているセラピストを見ると、残念ですが自身の成長の芽をつんでしまっているように感じてしまいます。ルーチン化したセラピーは患者さんの潜在性を促進するための、多様な引き出し、場面、課題設定が不足します。ある意味考えなくてもできるため、そこに経験学習の重要な要素である、内省の質が乏しくなると考えます。内省の質とは、自身のセラピーを提供しながら、「何のために?」「このアプローチでいいのか?」「もっと良い方法はないのか?」といった思考です。

  セラピストとしての成長は、内省の内容と、そこから得た情報に基づいた絶え間ない改善を目指す姿勢が不可欠であると考えています。

 

  ではもう少し成長とは何か?について深めていきましょう。松尾先生は成長には、能力的成長と精神的成長の2つの側面があることを提示しています。

  能力的成長とは、テクニカルスキル(知識、技術)、ヒューマンスキル(対人・コミュニケーション能力)、コンセプチュアルスキル(論理的、分析的能力)の獲得、向上によって仕事における問題発見と解決能力が高まることとしています。

  精神的成長は仕事への適切な思い、信念、価値観を持つようになることとしています。信念、価値観とは「大事に思っていること、こだわっていること」です。そして適切な思い、信念とは自己中心的なものから他者に対する貢献が含まれるようになることとしています。

 

  セラピストの仕事は、根本的に患者さんのためといった他者貢献を前提とした思いに基づくものですが、その想いがさらに広がって、同僚のため、他部門のため、組織のためといったように対象とする範囲が拡大することが大事であろうと思っています。なぜなら患者さんの問題は、セラピスト一人で解決できるのではなく多職種、チーム力で解決する必要があるからです。

 

「他者のために貢献することが自身の成長につながる」「自身の成長が、結果的に他者の貢献につながる」両者の融合、統合されることが成長のエネルギーとなります。

 

若いセラピストのみなさん、自身の技術の向上とともに、他者とつながった形での成長をめざしてきましょう^_^