blueskycarp’s blog

作業療法士による人々の健康と幸福を促進する為のブログですm(_ _)m

臨床雑感

ROMexのコツ②〜ボジティブな機能を活かす方法〜

新人さん向けにROMexのコツについて指導したことをまとめてみます。 ROM exでは可動域の拡大を意図して、最終域で筋肉や軟部組織をストレッチする方法が一般的、標準的なアプローチであると考えています。ただその方法で可動域が拡大できればいいですが、う…

端座位練習のコツ②

前回記事、端座位練習の記事が好評だったので、今回は後方へのつっぱりが非常に強い方の端座位練習のコツ(誘導の仕方)についてまとめてみます。 特に脳損傷後、全身状態が安定せず長期臥床状態で回復期に転院してこられた方に多いと感じています。座位に誘…

端座位練習のコツ

今回は端座位練習のコツについて具体的な手続きを記述しながらまとめてみます^_^ 昨日代行で入院間もない70代左片麻痺の男性を担当しました。意思疎通は可能ですが、手足の麻痺は重度で車椅子座位でも左に体が傾いています。申し送りではプッシャー現象があ…

座り過ぎに対するマネジメント

昨日、管理業務の合間に訓練室に顔を出してみると、僕の担当の患者さん(重度の右片麻痺の男性)が介護士さんと一緒に車椅子で訓練室に来られていました。患者さんの表情も硬かったのでどうしたのか尋ねてみました。 介護士さん曰く落ち着きがないため、車椅…

訓練が終わった後の対応

僕の職場(回復期)はセラピストが患者さんの訓練の送迎も含めて対応をしています。訓練が終わると患者さんを病棟へと誘導します。患者さんによってデイルーム、食堂、ベッドで安全に過ごせるように最後まで対応します。今回の記事では特に重度の機能障害の…

枕の調整

安楽に睡眠・休息を取るために、臥床環境を整える、ポジショニングを設定することも回復期のセラピストの役割です。特に機能障害が重度で自力でほとんど身動きできない対象者については、不動による循環不全や痛み、そこから派生する異常な筋緊張や廃用を予…

家屋調査のコツ

対象者の退院後の生活状況をリアルに確認でき、より生活に即した支援、作業療法を提供する上で家屋調査は、絶好の機会になります。ただ絶好の機会ですが、現実には時間的な制約があり、効率よく実施する必要があります。今回は効率よく効果的に実施する為の…

療法士にとっての全身調整運動

皆さんは朝一番の診療に取りかかる前、どのように過ごされていますか? カルテからの情報収集、申し送りの参加、スタッフとの情報共有など診療をする前にやるべきことがたくさんあるかもしれません。目や耳からの情報をたくさん準備して診療に臨みますが、身…

風船を投げる技術

現在、見学実習で1年生の学生さんの対応をしています。見学実習ですが患者さんの四肢や姿勢のサポート、輪っかの提示など極力臨床に参加してもらって、だだの見学(見物)にならないような設定をしています。 今日は、座位の制動能力の学習のため、風船を打…

臨床実習がうまく遂行できるために必要なこと

今日は第24回広島県作業療法士学会でした。僕は久しぶりの参加で、ポスター発表をしてきました。演題名は「実習指導者の学生指導における配慮についてーより効果的な臨床実習を支援するための職場体制づくりにむけた予備調査ー」でした。 臨床実習のあり方が…

移乗動作の介助のコツ

今回は移乗動作、介助のコツについて2点提示します。対象者のイメージとしては下肢の支持性は発揮できるが、特に臀部の回旋の誘導、介助が難しい方を想定しています。 まずは移乗動作において臀部が回旋する基本原則を押さえる必要があります。この原則を知…

成長を内省する

僕の職場では今年度の振り返りと、振り返りに基づいた次年度に向けた準備(目標設定)を進めています。今年度は診療領域、人材育成領域、実習領域、業務管理領域に分けてその取り組みを振り返り、次年度の取り組みを話し合っています。 それと同時に各スタッ…

手すりを離せない事例への対応

脳損傷が広範囲に及ぶ患者さんの中には起居、移乗、トイレ動作の介助や動作訓練の際に、手すりを離すことが難しい方がいらっしゃいます。「手を離してください」といってもなかなか通じず、介助や練習、次への動作の誘導が難しくなる場合があります。 手を離…

訓練拒否への対応②〜行動経済学の知見に基づいて〜

療法士であれば誰もが経験する対象者の訓練拒否への対応について、今回は行動経済学の知見に基づいて、その理解と対応についてまとめます。 そもそも経済学は人々が、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのような方法で「意思決定」「行動選択」するのかを解…

訓練拒否への対応①

訓練拒否という事態は、療法士であればだれもが経験し、事態が継続すれば頭を悩ませる問題です。誰もが経験する問題ですが、その対応については十分に卒前、卒後ともに教育がなされていないのではないかというのが僕の見解です。そのため昨年末に職場(リハ…

ホリエモンの幸福論

堀江貴文氏(以下ホリエモン)の本を読みました。 バカとつき合うな 作者: 堀江貴文,西野亮廣 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 彼の言説はとてもラディカルで、好き嫌いが分かれるところかもしれ…

前頭前野活性化ゲーム

今朝、出勤するとスタッフが発熱のためお休みとのこと。僕の職場は365日リハを提供する回復期です。その為休んだスタッフが実施するはずだった訓練を、ほかのスタッフで代行せねばなりません。しかも、平日よりも土日、祝日の人員は少ない設定になっている為…

ピグマリオン効果とゴーレム効果

ビジネス領域の書籍には、マネジャー・上司がどのくらい部下に期待しているかによって、部下の扱いは微妙に変化し、期待が大きい程、その生産性が向上する可能性が高いことが言われています。一人の人間の期待が他者の行動に及ぼす影響力の重要性は、以前か…

動作介助の教育

今日はツイッターであるPTさんによる以下のようなつぶやきがありました。 養成校でもあまり練習しない動作介助。私は以前、とある教員に「立ち上がりとか移乗とか、そんなんの練習をもっとやってほしい。あのまま学生が臨床にでたら腰痛セラピストが増えます…

この手は治りますか?

麻痺を呈した患者さん。「この手は治りますか」と聞かれることがあります。 僕は患者さんの目を見て、次のように答えるようにしています。 「治るか治らないではなく、一緒に治すんですよ」 「治る」という表現は他力な表現だと考えています。手の治療、訓練…

システムとしての脳障害

脳の機能が障害された状態を学生さんや若いスタッフに説明するとき、僕は病院という組織に例えて説明することがあります。 脳も病院組織もシステムです。システムは「機構」と訳されます。「機構」とは「機能をもつ構造体」の略語です。「機能」は簡単にいう…

「あっち」「こっち」

臨床で患者さんに動く方向を提示する際によく使う言葉「あっち」「こっち」。 僕も便利な為、よく使ってしまいます。もちろん手で方向を視覚的に指し示したり、身体を触れて情報を補足するのですが、特に認知機能が低下している方には、なるべく使わないよう…

回復を促進する言葉の使い方

患者さんの回復を促進するため、セラピーの中ではネガティブな表現、固定的な表現をなるべくしないように心がけています。個人的な感じ方もあると思いますが、いくつか例をあげてみます。 ROM運動をする際に「麻痺している手を一緒に動かしましょう」という…